ストックフォト初心者が最初の1枚を選ぶ際は、身近な風景や季節感のある写真、日常のライフスタイルをテーマにするのがおすすめです。ストックフォトとは、写真やイラストなどの画像素材をあらかじめ用意し、利用者に使用許諾を与えるサービスの総称であり、自分が撮影した写真を登録すれば、広告やWebサイト、チラシなど様々な媒体で使用される可能性があります。写真がダウンロードされるたびに報酬が発生するため、一度アップロードすれば資産として蓄積されていく点が大きな魅力となっています。
初期費用はゼロで、スマートフォン1台からでも始められます。特別なカメラや高度な撮影スキルは必ずしも必要ではなく、必要なのは「日常を切り取る目」と「ちょっとした工夫」だけです。しかし、実際に始めようとすると「最初の1枚は何を撮ればいいのか」「どのサイトに登録すべきか」「審査に通るにはどうすればいいのか」など、疑問が次々と湧いてくることでしょう。この記事では、ストックフォト初心者が最初の1枚をどう選び、どう撮影し、どのように投稿すれば成功への道が開けるのかを、具体的に解説していきます。

ストックフォトサイトの選び方と初心者におすすめのサービス
ストックフォトを始めるにあたって最も重要なのが、どのサイトに登録するかという選択です。初心者の方には、まず写真ACとPIXTAの2つに登録することをおすすめします。写真ACで審査やアップロードの感覚をつかみ、ダウンロードの喜びを体験しながら、PIXTAでより高い報酬を目指していくという流れが王道となっています。
写真ACの特徴と初心者にやさしい理由
写真ACは、初心者に最もおすすめのストックフォトサイトです。最大の特徴は、ダウンロードする側が無料で利用できるという点にあります。無料であるがゆえに利用者が非常に多く、企業にも広く活用されているため、投稿した写真がダウンロードされやすいという利点があります。写真が1回ダウンロードされるごとに3円分程度のポイントが付与され、人物写真であれば11円分のポイントが付与される仕組みとなっています。
報酬単価は他のサービスと比較すると低いものの、ダウンロード数で補える点が魅力です。審査基準が比較的やさしく、他のサイトで審査に落ちた写真でも写真ACでは通過することがよくあります。登録画像の条件は長辺640ピクセル以上と比較的小さくてよく、アップロードの枚数制限もないため、気軽に投稿しやすい環境が整っています。
ただし注意点として、写真ACに一度でもアップした作品の著作権は写真ACに帰属します。後日その写真を使った写真集を作って販売するといったことはできなくなるため、この点は事前に理解しておく必要があります。
PIXTAの特徴と日本市場での強み
PIXTAは日本最大手のストックフォトサービスで、日本に特化した素材が豊富なのが特徴です。日本人モデルや日本の風景など、日本独自の文化やビジネスシーンに対応した素材は、他のストックフォトサービスと比較して圧倒的に多くなっています。
PIXTAの利点として、販売される素材の著作権がクリエイター本人に帰属する点が挙げられます。リジェクト(審査不合格)の理由が明確で対応が丁寧であること、無料のセミナーが定期的に開催されており初心者にやさしいことも、安心して利用できるポイントです。PIXTAガイドの「今取り組むのはコレ」という連載では、月ごとに需要の高い写真テーマを発信しているため、市場調査の手間が省けます。
一方で、初回登録申請の上限は30枚であり、1か月後に50枚、2か月後に100枚と段階的に増える仕組みのため、最初のうちは大量にアップロードすることができません。写真ACと比べるとダウンロードされにくい傾向がありますが、そのぶん報酬単価が高めに設定されています。
クリエイター登録の手順としては、まずPIXTAトップページの「クリエイター会員登録」ボタンから、生年月日や住所などの個人情報を入力します。メールアドレス認証後、身分証明書を提出して本人確認を行います。その後、写真販売に必要な最低限の知識を学ぶ入門講座を受講し、入門テストに合格する必要があります。テストに不合格になっても何度でも受験可能ですが、合格しなければ写真販売は行えません。
Adobe StockとShutterstockの特徴
Adobe Stockは3億点以上の膨大な画像を取り揃えており、風景、ビジネス、ライフスタイル、テクノロジーなど多彩なジャンルを網羅しています。Photoshop、InDesign、IllustratorなどのAdobe製品との連携機能が充実しており、Adobe Creative Cloudを使っているユーザーにとっては非常に使いやすいサービスです。登録時のタグ付けやタイトル付けが一括でできて、タグの候補も自動的に表示されるため、初心者でも作業がしやすいと評価されています。日本国内だけでなく世界中の利用者がいるため、写真数やダウンロード数ともに多いのが強みです。
Shutterstockは素材点数が3億点以上と、ストックフォトサイトの中で最も素材が多いサイトです。価格面でも比較的リーズナブルで、1か月だけ利用したい場合はShutterstockが最も安くなる傾向があります。ただし、タグ付けが英語で行う必要があるため、日本語しか使えない初心者にとってはややハードルが高くなっています。海外需要を取り込みたい場合や、慣れてきてから挑戦するサイトとして位置づけるのがよいでしょう。
慣れてきたらAdobe StockやShutterstockにも挑戦し、複数サイトで同じ写真を販売することで販売機会を最大化させるのが効率的です。ただし、写真ACにアップした写真の著作権は写真ACに帰属するため、写真ACにアップする写真と他サイトにアップする写真は分けて管理するなどの工夫が必要な場合があります。
最初の1枚は何を撮るべきか:初心者向けテーマの選び方
ストックフォト初心者が最も悩むのが「最初の1枚は何を撮ればいいのか」という問題です。結論として、身近な風景、季節感のある写真、日常のライフスタイルをテーマにするのが最も取り組みやすく、成果も出やすい選択となります。
身近な風景から始める利点
PIXTAのガイドによると、自分が住んでいる街の駅、主要な道路や交差点、有名な坂、川などを検索してみると、意外と作品数が少ないことがあります。こうした地域密着型の写真は、不動産関連や地域密着型サービスのイメージ写真として需要があります。トレンドに左右されにくく、競合も少ないため、初心者でもダウンロードされやすいのが特徴です。まずは自分の住む街を歩き回り、駅前や商店街、公園、川沿いの風景など、日常の風景を丁寧に撮影してみることから始めるとよいでしょう。
季節感のある写真の需要と撮影タイミング
桜、新緑、夏の海、紅葉、雪景色、クリスマスのイルミネーションなど、季節感のある写真は年間を通じて安定した需要があります。特に夏は広告やキャンペーンが増える時期であり、夏のセール、レジャー、旅行に関連した写真の需要が集中します。感情訴求がしやすく、絵的に映える要素が多いことも、夏の写真が売れやすい理由となっています。
重要なのは、季節のイベント写真は需要が発生する1から2か月前にアップロードしておくことです。例えば、桜の写真は1月から2月にはアップしておきたいところです。購入者は事前に素材を探すことが多いためです。
日常のライフスタイルとビジネスシーン
「丁寧な暮らし」や「自然と共にある生活」をテーマにした写真は、ブログや商品紹介などで使われやすく、安定した売れ筋となっています。料理や食事シーン、テレワークや勉強風景、家事の様子など、日常生活の自然なワンシーンが求められています。作り込みすぎたポーズや演出よりも、自然な日常の一コマを切り取った写真の方が人気があります。
ビジネス関連の写真も、ストックフォトの一大ジャンルです。ノートパソコンやデスク周りの写真、オンラインミーティングの様子、カフェで働く人の姿、ビジネス街を歩くシーンなどが需要として挙げられます。多様性やSDGs、働き方改革、グローバル化といった社会状況を反映した写真も求められており、従来のスーツ姿のビジネスパーソンだけでなく、カジュアルな服装でのリモートワーク風景なども人気があります。
初心者が避けるべきテーマとは
逆に、初心者がいきなり挑戦するには難易度が高いテーマもあります。美しい風景写真は手軽に誰でも撮れるがゆえに競合が非常に多く、大きな売上を作るのは難しいとされています。「需要があるけど撮っている人が少ない」というニッチな分野を攻める工夫が求められます。
人物写真は最も需要が高いジャンルですが、モデルリリース(肖像権の使用許諾書)が必要になるため、初心者にはハードルがやや高くなっています。まずは風景や物撮りから始めて、慣れてきたら人物写真にも挑戦するのが無難でしょう。
売れる写真の特徴とストックフォト市場のトレンド
ストックフォトで売れる写真には共通する特徴があります。売れる写真に共通しているのは「シンプルで明るく、使いやすい」ということです。
売れる写真の共通点
まず、主題が明確であることが重要です。何を伝えたい写真なのかがひと目でわかる写真は、購入者にとって使いやすくなります。背景がごちゃついていたり、主題が曖昧で目立たないような写真は敬遠されます。
次に、余白(コピースペース)があることも大切です。デザイナーがテキストを入れやすいように、写真の一部にシンプルな背景部分を設けると使用されやすくなります。被写体を左右どちらかに寄せて、反対側に余白を作る構図は特に効果的です。空、壁、テーブルなどがこの余白として活用できます。
そして、明るくポジティブな印象であることも重要なポイントです。暗い写真や陰鬱な雰囲気の写真は、広告やWebサイトでは使いにくいため、自然光を活かした明るい写真の方が圧倒的に売れやすくなっています。
2025年に注目されたストックフォトのトレンド
2025年のストックフォト市場では、「リアルな空気感」「季節と地域のつながり」「人の営みと自然の調和」がキーワードとなっていました。AIが急速に発展する中で、AIでは再現できない「人の目線」が写真の価値を高めるとされました。
具体的には、健康やウェルネスに関連した写真、テクノロジーと日常生活の融合、環境問題や持続可能な暮らしをイメージさせる写真などが注目されました。リモートワークの定着により、自宅やカフェでの仕事風景も引き続き需要がありました。AI生成画像が増加する中で、実際に撮影されたリアルな写真の価値が相対的に高まっているという指摘もあり、「本物の空気感」が伝わる写真はAI画像では代替できないとされています。
人気ジャンル別の需要について
人物写真は圧倒的に需要が高いジャンルです。特に10代から30代の女性が写った写真は人気があります。ビジネスシーンでの人物写真も安定した需要がありますが、人物写真にはモデルリリースが必要であることを忘れてはなりません。
ビジネス関連の写真は企業サイトや広告で常に需要がある安定ジャンルです。複数名のビジネスパーソンが会議を行っている様子、建設現場での工事風景、病院で働く医療スタッフなど、具体的な業種を想起させる写真も売れやすくなっています。
季節やイベント関連の写真は、時期に応じて需要が急増します。正月、バレンタイン、卒業式、入学式、ゴールデンウィーク、夏休み、ハロウィン、クリスマスなど、年間を通じてさまざまなイベントがあり、それぞれに対応した写真を事前に準備しておくと効果的です。
撮影の基本テクニック:初心者が押さえるべきポイント
ストックフォトで審査に通り、かつ購入されやすい写真を撮るためには、いくつかの基本的な撮影テクニックを身につけておく必要があります。高価なカメラ機材は必ずしも必要ではなく、最近のスマートフォンでも十分に通用するクオリティの写真が撮影可能です。
ピントと手ブレの対策方法
ストックフォトの審査で最も基本的かつ重要なのが、被写体にピントが正確に合っていることです。メインの被写体にはしっかりとピントを合わせることを常に意識しましょう。
手ブレを防ぐためには、屋外で撮影する場合はシャッタースピードを1/500秒程度、やや暗い場所では1/200秒程度を目安にするとよいでしょう。スマートフォンの場合は、両手でしっかり持ち、脇を締めて安定させることが基本です。三脚やスマホスタンドを活用するのも効果的です。
光の活用と撮影に適した時間帯
写真の質を大きく左右するのが光の使い方です。自然光を活用することが最も簡単にきれいな写真を撮る方法であり、特に屋外では太陽が低くなる朝や夕方(マジックアワー)が最も美しい時間帯とされています。
室内で撮影する場合は、窓からの自然光を利用するのが効果的です。直射日光は影が強くなりすぎるため、レースのカーテン越しの柔らかい光(ディフューズ光)がおすすめです。
構図の基本と三分割法の活用
構図を意識するだけで写真のクオリティは格段に上がります。基本的な構図として、三分割法があります。画面を縦横それぞれ3等分する線を引き、その交点に被写体を配置する方法です。スマートフォンのカメラ設定でグリッド線を表示させると、この構図を意識しやすくなります。
iPhoneの場合は「設定」から「カメラ」と進み、「構図」という項目内の「グリッド」と「水平」をオンにすることで、構図の目安になるグリッドと水平がわかる水準線を表示できます。
ストックフォト特有のポイントとして、購入者が文字を入れやすいように余白を確保することが重要です。被写体を画面の中央に配置するのではなく、左右どちらかに寄せて、反対側に空や壁などのシンプルな背景を入れておくと、デザイナーにとって使い勝手のよい写真になります。
ノイズの抑制と高品質な写真の撮り方
ストックフォトの審査では、写真のノイズ(ざらつき)に対して非常に厳しいチェックが行われます。等倍にしないと見えないようなノイズでも不合格になることがあるため、撮影時にはISO感度をできるだけ低く設定し、ノイズを抑えた鮮明な写真を撮影することが重要です。
昼間の写真でも油断は禁物で、暗い環境で撮影した写真は特にノイズが目立ちやすくなります。撮影後にLightroomやPhotoshopなどのソフトでノイズ除去の処理を行うことで、審査通過率を高めることができます。
スマートフォンでの撮影テクニック
スマートフォンのカメラは年々性能が向上しており、ストックフォト用の写真撮影にも十分対応できます。ディスプレイ上で被写体をタップしてフォーカスを合わせ、明るさを調整することが基本です。iPhoneの場合はフォーカスポイント横の太陽アイコンのスライダーで明るさを上下でき、フォーカスポイントを長押しすればAE/AFロックも可能です。
レンズの汚れは写真の品質に大きく影響するため、撮影前には必ずレンズを拭くことを習慣にしましょう。デジタルズームは画質が劣化するため、できるだけ使わずに被写体に近づいて撮影するか、光学ズーム搭載のスマートフォンであればそちらを使用するのがよいでしょう。
審査に通るためのポイントとリジェクト対策
ストックフォトに写真を投稿すると、サイト側による審査が行われます。審査に落ちる(リジェクトされる)主な理由と対策を知っておくことで、通過率を高めることができます。
リジェクトされる主な理由と具体的な対策
ノイズやアーチファクトは、リジェクトの最も一般的な理由の一つです。高感度で撮影した写真や、暗い環境で撮影した写真では特にノイズが目立ちやすくなります。対策としては、撮影時にISO感度を低く保つこと、そしてLightroomやPhotoshopのノイズ除去フィルターで後処理を行うことが有効です。
ピントや手ブレの問題も、審査を通過できない大きな原因となります。被写体にピントが合っていない写真や、手ブレしている写真は審査を通過できません。撮影時には必ずメインの被写体にピントを合わせ、十分なシャッタースピードを確保することが重要です。
知的財産権の侵害にも注意が必要です。有名な建築物や観光施設の中には、外観や敷地そのものが知的財産として保護されているものがあります。特に現代的に再建された建物や、運営団体がある施設は注意が必要です。撮影前に、対象物の撮影や商用利用が許可されているかを確認しておくとよいでしょう。
商標やロゴの映り込みも審査で落とされる原因となります。写真に企業のロゴや商標が映り込んでいると審査で落とされることがあります。商標に関する基準はサイトによって異なり、非常に厳しいサイトではiPadのイヤホンジャックや音量ボタンが映っているだけで不合格になった事例もあります。対策としては、商標やロゴがなるべく写らないように撮影し、どうしても映ってしまう場合はPhotoshopなどで消去してからアップロードすることが推奨されます。
類似コンテンツの重複投稿にも気をつける必要があります。同じような構図やテーマの写真を大量に投稿すると、スパム的と見なされてリジェクトされることがあります。特にテクスチャ素材のように構図が似やすいジャンルでは注意が必要です。「一番いい1枚を選んで投稿する」という意識が重要です。
個人情報の映り込みも審査を通過できない原因となります。車のナンバープレートや電話番号など、個人を特定できる情報が映り込んでいると審査を通過できません。撮影後にチェックし、必要に応じてレタッチで消去する習慣をつけましょう。
写真の意図が不明確な場合も却下されることがあります。写真自体はきれいでも、広告やWebデザインなどでの使い道が想像できないと却下されることがあります。ストックフォトに投稿する写真には、「この写真がどのように使われるのか」という明確な意図を持って撮影することが求められます。テーマとタイトルが一致しており、目的が明確でイメージしやすい写真が審査を通過しやすくなっています。
審査通過率を上げるための総合的な対策
審査に通過するための基本チェックとして、撮影後に以下の項目を確認することを習慣にしましょう。著作権や肖像権に抵触していないか、被写体にピントが合っているか、明るさは適正か、画質はきれいか、ホワイトバランスは合っているか、余計なものが映り込んでいないか、これらを一つ一つ確認することが重要です。
LightroomやPhotoshopでの色調補正やトーン調整は、作品の印象を大きく左右します。編集で明るさや色味を整えるだけでも、審査通過率が高まるケースがあります。
リジェクトされた場合はその理由を記録して分析することが重要です。審査コメントは単なる不合格通知ではなく、次回の改善点を教えてくれるヒントと捉えると前向きに取り組めます。落ちた理由を一つずつ見直すことで、徐々に通過率が上がっていくでしょう。
タグ付けとキーワード設定のコツ:売上を左右する重要ポイント
写真の品質と同じくらい重要なのが、タグ付け(キーワード設定)です。どんなに素晴らしい写真でも、適切なタグが設定されていなければ購入者の検索結果に表示されず、ダウンロードにはつながりません。「ストックフォトの売上はタグで決まる」と言われるほど、タグ付けは収益に直結する要素です。
購入者目線でのタグ付けの考え方
タグ付けの最大のコツは、購入者の立場に立つことです。自分の撮影した写真がどのように使われるかを想像し、購入者がどのようなキーワードで検索するかを考えてタグを設定します。例えば、桜の写真であれば、「桜」だけでなく「春」「花見」「4月」「入学」「新生活」「ピンク」など、その写真が使われそうなシーンを連想してキーワードを広げていくことが効果的です。
タグに含めるべき要素と効果的な設定方法
タグ付けの原則として「単語で付ける」ことが基本です。「二人で水遊びする子供」のようなフレーズではなく、「子供」「二人」「水遊び」「夏」「屋外」といった具合に、単語ごとに分けてタグを設定します。
効果的なタグ付けのためには、以下の要素を網羅的にカバーすることが推奨されます。被写体に関するタグとして花、建物、青空、人物など、場所に関するタグとして地名、国名、都市名などを設定します。テーマに関するタグとして風景、ビジネス、料理、イベントなど、季節感に関するタグとして春、夏、秋、冬、正月、クリスマスなどを含めます。色に関するタグ、写り方に関するタグとしてカメラ目線、横顔、アップ、俯瞰など、状態や動作に関するタグとして走る、笑顔、リラックスなど、感情や雰囲気に関するタグとして爽やか、温かい、静寂、清々しいなど、背景に関するタグとして屋外、屋内、白バックなども設定すると効果的です。
タグの数と注意点について
タグの数はできるだけ多く設定することが推奨されます。最低10語、できれば20語から30語は付けたいところです。多くのストックフォトサイトでは最大50個までタグを付けることができますが、なるべく上限に近い数を設定するのがよいでしょう。ただし、写真と無関係なタグ(スパムワード)は絶対に付けてはなりません。無関係なキーワードの使用は検索結果や売上に悪影響を与え、最悪の場合アカウント閉鎖につながります。
写っている物が少ない写真はタグが少なくなりがちですが、その写真から抱くイメージや感情を言葉にしてタグに追加するとよいでしょう。例えば、広大な草原の写真であれば「爽やか」「広大」「清々しい」「解放感」「自由」「リフレッシュ」などのイメージタグを追加できます。
表記の揺れと海外需要への対応
日本語には表記の揺れが多く存在します。「紫陽花」「アジサイ」「あじさい」、「母親」「お母さん」「ママ」など、同じ意味でも複数の表記方法があります。検索システムが進歩しているものの、念のため複数の表記でタグを設定しておくのが安全です。
英語のキーワードも追加して海外の購入者にも対応することが推奨されます。PIXTAで設定した日本語タグをGoogle翻訳で英語に変換し、ShutterstockやAdobe Stockにコピーするというシンプルな方法でも効果があります。
AIツールの活用によるタグ付けの効率化
ChatGPTやGeminiなどのAIツールを活用してタグの候補を生成する方法も注目されています。写真の説明を入力して関連キーワードを提案してもらったり、Geminiのマルチモーダル機能で画像を直接アップロードしてキーワードを提案してもらうことも有効です。ストックフォトサイトの検索バーに単語を入力した際に表示されるサジェスト(予測変換)も、よく検索されるキーワードを知る手がかりとなります。
収益の現実と成功への心構え
ストックフォトは手軽に始められる副業ですが、すぐに大きな収入を得られるわけではありません。現実的な収益見込みと、長期的に成功するための心構えを知っておくことが大切です。
収益の目安と現実的な期待値
最初のうちは月数百円から数千円が現実的な収入となります。多くの人は数百枚の写真を登録して月数千円から1万円程度を稼いでいます。投稿枚数が100枚以上になってから報酬に期待できるようになると言われており、副業として成り立たせるには、写真のクオリティが高い人でも1サイトあたり最低500枚、一般的には最低1000枚程度の登録が必要だという体験談もあります。
一方で、継続的に質の高い写真を投稿し続けることで、月数万円から数十万円を稼ぐ人も存在します。ストックフォトは蓄積型のビジネスであり、一度アップロードした写真は継続的にダウンロードされる可能性があるため、投稿数が増えるほど収益は加速していく傾向があります。
成功するための心構えと継続の重要性
ストックフォトで成功するために最も重要なのは「継続すること」です。最初の数か月はほとんど収益が出ないことも珍しくありません。しかし、投稿を続けていくうちに、どのような写真が売れるのか、どのようなタグ付けが効果的なのかが体感的にわかってきます。
「撮る→投稿する→反応を見る→改善する」というサイクルを繰り返すことが、収益化への最短ルートです。ダウンロード数の多い写真と少ない写真を分析し、何が違うのかを考えることで、自分なりの「売れる写真」のパターンが見えてきます。
複数のストックフォトサイトに登録して同じ写真を販売することで、販売機会を増やすことも重要です。サイトによって購入者層が異なるため、あるサイトでは全く売れない写真が別のサイトでは人気になることもあります。
AI時代におけるストックフォトの価値
AI技術の発展はストックフォト市場にも大きな影響を与えています。AI生成画像が増加する中で、実際に撮影された写真の「リアルさ」や「空気感」が逆に価値を持つようになっています。AIでは再現できない「人間の目線」で捉えた写真に、差別化のチャンスがあるのです。
一方で、AI画像の普及により、単純な素材写真の価格下落が進む可能性もあります。今後は、AIでは作り出せないような独自性のある写真、特定の場所や人物のリアルな空気感が伝わる写真の価値がますます高まっていくと考えられます。
最初の1枚を投稿するまでの具体的なステップ
ここまでの内容を踏まえて、初心者が最初の1枚を投稿するまでの流れを整理します。
まずストックフォトサイトに登録します。写真ACとPIXTAに登録しましょう。写真ACは審査が比較的やさしく枚数制限もないため、最初の練習台として最適です。PIXTAは入門テストがありますが、きちんと勉強すれば合格できます。登録には本人確認書類が必要なので、事前に準備しておきましょう。
次に売れている写真をリサーチします。いきなり撮影に行く前に、各ストックフォトサイトで人気の写真や売れ筋のジャンルをリサーチしましょう。PIXTAのランキングや特集ページ、写真ACの人気素材をチェックして、どのような写真に需要があるのかを把握します。
そして撮影テーマを決める段階に進みます。リサーチした情報をもとに、自分が撮影できるテーマを決めます。最初は身近な風景、季節の花、料理、デスク周りの写真など、特別な準備なしに撮影できるテーマがおすすめです。
撮影する際には、基本テクニックであるピント、光、構図、ノイズ対策を意識して撮影します。1つのテーマに対して、複数のアングルや構図で撮影しておくと、後から最もよい1枚を選びやすくなります。余白(コピースペース)を意識した構図も忘れずに取り入れましょう。
写真を選別・編集する工程では、撮影した写真の中から、最もクオリティの高い1枚を選びます。必要に応じて、明るさの調整、色味の補正、ノイズ除去などの編集を行います。スマートフォンアプリでも十分な編集が可能です。
タグ付けをする際には、購入者目線で、写真に適切なタグを設定します。被写体、場所、テーマ、季節、色、雰囲気など、多角的な視点からキーワードを設定しましょう。最低でも20語以上は設定したいところです。
投稿して審査を待つ段階では、写真をアップロードして審査を待ちます。審査期間はサイトによって異なりますが、数日から2週間程度かかることが一般的です。審査結果が出たら、合格の場合はそのまま販売開始、不合格の場合はリジェクト理由を確認して次回の改善に活かしましょう。
最後に結果を分析して次に活かします。写真が公開されたら、ダウンロード数やアクセス数をチェックしましょう。どの写真が人気があるのか、どのタグで検索されているのかを分析することで、次回以降の撮影やタグ付けの精度が向上します。
ストックフォト初心者が押さえるべきポイントのまとめ
ストックフォトは、初期費用ゼロでスマートフォン1台からでも始められる手軽な副業です。しかし、闘雲に写真を投稿するだけでは収益にはつながりにくいため、ポイントを押さえておくことが重要です。
サイト選びでは、まず写真ACとPIXTAから始めるのが効果的です。写真ACで審査やアップロードの感覚をつかみ、PIXTAでより高い報酬を狙います。慣れてきたらAdobe StockやShutterstockにも展開していくとよいでしょう。
テーマ選びでは、需要と供給のバランスを考えることが大切です。身近な風景、季節感のある写真、日常のライフスタイルなど、自分の日常の中から撮影できるテーマを選ぶのがおすすめです。
撮影では、ピント、光、構図、ノイズの4つの基本を意識することが重要です。余白を確保した構図で、購入者が使いやすい写真を心がけましょう。
審査対策としては、知的財産権や肖像権に注意し、ノイズのないクリアな写真を提出することが求められます。リジェクトされた場合はその理由を分析して改善していくことが大切です。
タグ付けでは、購入者目線で多角的なキーワードを設定します。最低20語以上を目標に、被写体だけでなく感情やイメージに関するタグも含めることで、検索結果に表示されやすくなります。
そして何より大切なのが、継続することです。ストックフォトは蓄積型のビジネスであり、投稿数が増えるほど収益は加速していきます。最初は成果が出なくても、試行錯誤を繰り返しながら投稿を続けていくことが、成功への唯一の道です。最初の1枚は、完璧でなくても構いません。大切なのは「まず1枚を投稿してみること」です。その1枚が、ストックフォトでの副業の第一歩となるでしょう。

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