AI画像生成技術の急速な発展により、Midjourneyはクリエイターやビジネスパーソンにとって欠かせないツールとして定着しました。わずか数秒で高品質なビジュアルを生成できる利便性から、ストックフォト販売や商用プロジェクトでの活用を検討する方が増えています。しかし、便利さの裏側には商用利用規約や著作権に関する複雑なルールが存在し、これらを正しく理解せずに使用すると、思わぬトラブルに巻き込まれる危険性があります。2025年現在、Midjourneyの利用規約は過去数年間で何度も更新されており、無料プランの廃止やプライバシー機能の追加など、重要な変更が実施されました。本記事では、Midjourneyのストックフォト販売における商用利用規約と注意点について、2025年の最新情報を基に徹底解説します。どのプランを選べば商用利用が可能なのか、著作権はどこに帰属するのか、ストックフォトプラットフォームでの審査基準は何か、そして実際の収益性や訴訟リスクまで、実践的な視点から詳しくお伝えします。

Midjourneyの商用利用に関する基本規約と必須条件
Midjourneyで生成した画像を商用目的で使用する際には、いくつかの重要な条件をクリアする必要があります。最も基本的かつ重要な前提条件は、有料プランへの加入です。2025年1月現在、Midjourneyは無料プランを提供しておらず、すべてのユーザーが有料サブスクリプションに加入しなければ画像生成そのものができません。過去には無料トライアルが存在しましたが、現在は完全に廃止されています。
仮に過去に無料プランで生成した画像が残っている場合でも、それらを商用利用することは規約上認められていません。無料会員が作成した画像には、MidjourneyからCreative Commons Noncommercial 4.0 Attribution International Licenseが付与され、非営利目的での利用のみに制限されています。ブログの収益化、広告素材、ストックフォト販売など、何らかの収益を得る目的で画像を使用する場合は、必ず有料プランへの加入が必須となります。
有料プランは現在、Basic、Standard、Pro、Megaの4種類が提供されています。年間収入が100万ドル(約1億5000万円)未満の個人や企業であれば、BasicプランやStandardプランでも商用利用が認められています。しかし、年間収入が100万ドルを超える企業が商用利用を行う場合は、ProプランまたはMegaプランへの加入が義務付けられているため、企業規模に応じた適切なプラン選択が求められます。
興味深い点として、プラン解約後も、有料プラン加入中に生成した画像の著作権は生成者本人に存続します。これは、一度有料プランで画像を生成すれば、その後プランを解約しても商用利用を継続できることを意味します。ただし、新たな画像を生成したい場合は、再度有料プランへの加入が必要になるため、継続的な画像制作を予定している場合は、プランの維持を検討すべきでしょう。
著作権の帰属とライセンス関係の複雑な構造
Midjourneyで生成した画像の著作権については、一見シンプルに見えて実は非常に複雑な構造になっています。有料プランのユーザーは、生成した画像に対する著作権を所有することができますが、Midjourneyもまた生成画像に対して一定のライセンス権を保持するという二重構造が存在します。この点は、他のクリエイティブツールと大きく異なる特徴です。
具体的には、有料プランで生成した画像について、ユーザーは商用利用や二次利用、販売などの権利を持ちますが、Midjourney側も同じ画像を自社のプロモーションや技術開発のために使用する権利を保持しています。つまり、完全な独占的著作権ではなく、共有的なライセンス形態となっているのです。
さらに注意が必要なのは、Midjourneyで生成した画像を著作権で完全に保護することは困難であるという現実です。AI生成画像に関する著作権法の解釈は国によって異なり、日本を含む多くの国では、AI生成物に対する著作権の適用が不明瞭な状況が続いています。アメリカでは、人間の創作性が介在しないAI生成物には著作権が認められないという判例も存在します。
その一方で、Midjourneyで生成した画像が他者の著作権を侵害したとして訴えられるリスクは現実に存在します。すべての商用利用において、利用者が全責任を負うという点が規約で明記されており、これは極めて重要なポイントです。Midjourneyは学習データとして大量の既存画像を使用しているため、生成された画像が既存の著作物に類似する可能性はゼロではありません。
他人が作成した画像をアップスケールした場合でも、画像の所有者は元の作成者となります。Midjourneyはオープンなコミュニティであり、デフォルトでは画像は一般公開され、他のユーザーがリミックスすることができますが、著作権はあくまで最初の生成者にあることを理解しておく必要があります。このため、他人の画像を基にした二次創作や改変を商用利用する際は、特に慎重な判断が求められます。
ストックフォト販売における実践的な注意点とプラットフォーム選び
Midjourneyで生成した画像をストックフォトとして販売することは可能ですが、プラットフォームごとにAI生成画像に対する方針が大きく異なるため、販売先の選択は慎重に行う必要があります。2025年現在、Adobe Stock、PIXTA、Motionelementsなどの大手ストックフォトサービスでは、AI生成画像の販売が認められています。これらのプラットフォームは、AI技術の進化を積極的に受け入れ、クリエイターに新しい収益機会を提供しています。
一方で、Getty Imagesは画像生成AIを使用した画像の販売を禁止する方針を明確に発表しており、AI生成画像をアップロードすることはできません。ShutterstockもAI生成画像に対して厳しい審査基準を設けており、プラットフォームによって対応が大きく分かれているのが現状です。販売を開始する前に、必ず各プラットフォームの最新のガイドラインを確認しましょう。
各プラットフォームでは、AI生成画像であることを明記する必要があります。これは透明性の確保とユーザーへの適切な情報提供のために重要な要件です。Adobe Stockでは、アップロード時にAI生成画像であることを示すチェックボックスがあり、これを選択することが義務付けられています。PIXTAでも同様に、AI生成画像である旨を登録時に明示する必要があります。
PIXTAでの販売に関しては、特に注意すべき点があります。実際のユーザー事例として、1か月に約2000枚近くアップロードした際、PIXTAから画像の厳選が足りないとして、アップロード可能枚数を大幅に制限されたケースが報告されています。同じテーマの画像を大量にアップロードしすぎないよう、質を重視した選別が求められます。PIXTAは日本最大級のストックフォトサービスであり、日本語でのサポートが充実している点が強みですが、量よりも質を重視する方針を持っています。
収益性についても現実的な理解が必要です。ストックフォト販売を始めた初期の頃は、毎日5時間から6時間以上作業に費やしても、実質的な時給に換算すると数十円程度になることもあります。しかし、一定の枚数をアップロードすれば安定した収入が得られるようになるという報告もあり、継続的な努力と戦略的なアプローチが成功の鍵となります。PhotoACを利用した事例では、月に2万円から3万円ほどを稼いでいるケースがあり、実際に使った時間は調べる時間を含めて30時間程度で、開始2か月で月3万円ほどの収益を作ることができたという報告もあります。
著作権侵害リスクの回避方法と安全な画像生成のコツ
Midjourneyを使用する上で最も警戒すべきは、著作権侵害のリスクです。ディズニーやポケモンのように具体的なキャラクター名をプロンプトに含めると、既存作品の複製と見なされる可能性が高まります。商用利用する場合は、こうした固有名詞の使用を避けることが無難です。たとえ生成された画像が元のキャラクターと完全に一致していなくても、類似性が認められれば著作権侵害として訴えられるリスクがあります。
作者名や特定のアーティスト名をプロンプトに使用することも、同様のリスクを伴います。たとえば「ゴッホ風」「宮崎駿風」といった表現であっても、元のアーティストから著作権侵害を指摘される可能性があるため、オリジナルの表現を目指すことが推奨されます。Midjourneyが学習データとして使用した画像のアーティスト名を記載したリストが流出したことで、アメリカで大規模な訴訟問題に発展した経緯があり、2023年1月には複数のアーティストから著作権侵害に関する訴訟が提起され、2023年11月には7名の新たな原告が加わり訴訟が拡大しました。
安全に画像を生成するためには、プロンプトの作り方に工夫が必要です。具体的なキャラクター名やアーティスト名を使用する代わりに、スタイルや雰囲気を言葉で説明することが効果的です。たとえば「fantasy character with pointy ears」「impressionist landscape painting」のように、一般的な描写で表現することで、著作権侵害のリスクを大幅に低減できます。
商標やブランドロゴについても注意が必要です。有名企業のロゴや商標をプロンプトに含めると、商標権侵害のリスクが生じます。たとえば「Nike shoe」「Coca-Cola bottle」といった表現は、たとえ画像が完全に一致していなくても、ブランドイメージの無断使用として問題視される可能性があります。
また、人物の肖像権にも配慮が必要です。実在する有名人の名前をプロンプトに使用すると、肖像権侵害のリスクがあります。特に商用利用の場合、有名人のイメージを無断で使用することは法的問題に発展する可能性が高いため、架空の人物や一般的な人物描写にとどめることが安全です。
プライバシー保護とステルスモードの活用方法
商用利用において、競合他社からの模倣を防ぐことは重要な課題です。Midjourneyはデフォルトでオープンなコミュニティであり、生成した画像やプロンプトは他のユーザーにも公開されます。これは創作活動の透明性という点では優れていますが、ビジネス利用においては機密性の問題が生じます。
ProプランとMegaプランでは、ステルスモードという機能が利用可能です。このモードを使用することで、プロンプトを非公開にし、生成過程を他のユーザーから隠すことができます。ステルスモードを有効にすると、生成した画像は自分のアカウントでのみ閲覧可能となり、Midjourneyの公開ギャラリーには表示されません。
BasicプランやStandardプランではステルスモードが使用できないため、ビジネス利用で独自性を保ちたい場合は、Proプラン以上の選択を検討する価値があります。ステルスモードは、企業のブランディングやマーケティング素材を作成する際に特に有効です。製品発表前のビジュアル開発や、競合に知られたくないクリエイティブコンセプトの探索において、この機能は大きなメリットとなります。
ステルスモードを使用する際の注意点として、一度ステルスモードで生成した画像を後から公開設定に変更することはできますが、逆に公開モードで生成した画像を後からステルスに変更することはできません。そのため、機密性が必要なプロジェクトでは、最初からステルスモードを有効にしておくことが重要です。
また、ステルスモードを使用していても、Midjourney社自体は生成した画像やプロンプトを閲覧できます。規約上、Midjourneyは生成画像を技術開発やサービス改善のために使用する権利を保持しているため、完全な機密性を保証するものではないことを理解しておく必要があります。
各プランの特徴と最適な選び方
Midjourneyの料金プランは、Basic、Standard、Pro、Megaの4つがあり、それぞれ月額払いと年額払いを選択できます。年額払いを選択すると20パーセントオフになるため、長期利用を考えている場合は年額払いが経済的です。
Basicプランは月額10ドル(年額払いの場合は月額8ドル)で、約3.3時間のGPU時間が利用できます。GPUでの画像生成から完了までにかかる時間は約1分ほどで、Basicプランの場合、1カ月あたり200枚程度を生成できる計算になります。個人の趣味やブログ用の画像作成には十分ですが、ステルスモードが使えないため、ビジネス用途には制限があります。また、Relaxモード(無制限生成)が使用できないため、大量生成には向いていません。
Standardプランは月額30ドル(年額払いの場合は月額24ドル)で、月15時間のGPU時間が提供されます。本格的にMidjourneyを使用したい方におすすめで、趣味ならBasic、本格利用ならStandardと言われるほど、バランスの取れたプランです。より多くの画像を生成したい個人クリエイターやスモールビジネスに適しています。Relaxモードが使用可能になるため、時間的余裕がある場合は無制限に画像を生成できます。迷ったらStandardから始めるのが良いでしょう。
Proプランは月額60ドル(年額払いの場合は月額48ドル)で、月30時間のGPU時間とステルスモードが利用可能です。年間収入が100万ドルを超える企業や、競合対策が必要なビジネスユーザーに推奨されます。仕事で使用する場合は、Proプランが最適です。Proプラン以上ならステルスモードが使え、生成画像を他のユーザーから見えなくすることができます。また、商用利用における機密性の確保が重要な場合は、このプランが必須となります。
Megaプランは月額120ドル(年額払いの場合は月額96ドル)で、月60時間のGPU時間とステルスモードが含まれます。大量の画像生成が必要な企業や、複数のプロジェクトを並行して進めるチームに最適です。ストックフォト販売を本格的に展開する場合や、デザインエージェンシーなどでクライアントワークに頻繁に使用する場合は、このプランが適しています。
各プランには生成モードの選択肢があります。Turboモードはクライアントとのライブセッションや緊急の納期に最適で、最も高速に画像を生成できます。Fastモードは日常的な生成に適しており、品質と速度のバランスが良い標準的なモードです。Relaxモードは大量生成や時間的余裕がある場合に最適で、無制限に使用できますが、Standardプラン以上でのみ利用可能です。Relaxモードは、他のユーザーの使用状況によって生成速度が変動するため、急ぎの案件には向いていません。
高品質な画像を生成するプロンプトのコツと実践テクニック
Midjourneyで商用利用に耐えうる高品質な画像を生成するには、効果的なプロンプトの作成が不可欠です。プロンプトの質が生成画像の質に直結するため、このスキルを磨くことが成功の鍵となります。
まず、基本的に英語のプロンプトを入力することが推奨されます。日本語でプロンプトを入力すること自体は可能ですが、生成される画像のクオリティが下がってしまいます。Midjourneyの学習データは主に英語圏の画像とテキストペアで構成されているため、英語のプロンプトに対してより正確な理解を示します。英語が苦手な方はDeepLなどの翻訳ツールの使用がおすすめです。
具体的な表現を使うことも重要です。たとえば「a cat」ではなく、「a fluffy white cat sitting on a windowsill bathed in warm afternoon sunlight」のように、猫の毛の質感や位置、光の状態を詳細に描写することでAIが意図を正確に理解しやすくなります。抽象的な表現よりも、具体的な形容詞や状況説明を含めることで、より精度の高い画像が生成されます。
高画質化のテクニックとして、プロンプトに「high resolution」「4K」「8K」といった言葉を入れると、高解像度の画像が生成されやすくなります。「detailed」「photorealistic」を追加すると、より細かいディテールが表現された写実的な画像になることもあります。ストックフォトとして販売する場合、画質は非常に重要な要素であり、購入者の満足度に直結します。
プロンプトウェイトの活用も効果的です。「space::3 station」のように単語と一緒に数字を入力することで「spaceはstationよりも3倍重要である」とAIに伝えられます。この機能を使うことで、特に強調したい要素を画像内で目立たせることができます。たとえば「sunset::2 beach::1 palm trees」とすると、夕日を最も強調した海辺の風景が生成されやすくなります。
ネガティブプロンプトも有効なテクニックです。「–no」パラメータを使用することで、生成したくない要素を指定できます。たとえば「beautiful landscape –no people, buildings」とすると、人物や建物が含まれない風景画が生成されます。商用利用において、不要な要素を排除することで、より意図に沿った画像を得られます。
商用利用時の重要な注意点として、プロンプトを介して既存の著作物を模倣した画像の場合、商用利用は避けるべきです。具体的なキャラクター名、アーティスト名、ブランド名などは使用しないようにしましょう。代わりに、スタイルや雰囲気を一般的な言葉で表現することで、オリジナリティを保ちながら高品質な画像を生成できます。
ストックフォトプラットフォームの審査基準と対策
AI生成画像をストックフォトとして販売する際、各プラットフォームの審査基準を理解することが成功の鍵です。審査を通過しなければ販売できないため、基準を満たす画像を生成することが重要です。
PIXTAでは、AI生成画像や動画素材の販売が可能ですが、制作や登録の前に画像の権利等がPIXTA利用規約及びガイドラインに則っていることを確認する必要があります。PIXTAは日本最大級のストックフォトサービスであり、日本語でのサポートが充実している点が強みです。審査基準として、画像の技術的品質(解像度、ノイズ、色調など)、商業的価値(需要のあるテーマか)、権利関係(著作権や肖像権の問題がないか)が重視されます。
Adobe Stockは、品質、法的、技術的基準を満たす限り、生成AIツールで作成されたコンテンツを受け入れています。Adobe Stockは世界的に利用されているプラットフォームであり、海外の購入者にもリーチできる点が魅力です。ただし、AI生成画像であることを明確に示す必要があります。審査では、画像の独自性や商業的利用価値が重視され、一般的すぎる画像や需要の低いテーマは却下される可能性があります。
審査における重要な注意点として、AI画像をAIで引き伸ばしている場合、一見キレイに見えても画像によってはディテールが失われ画質が落ちるため、審査に通らないことがあります。アップスケール機能を使用する際は、元の画像の解像度を十分に確保してから行うことが推奨されます。Midjourneyには「Upscale」機能がありますが、過度なアップスケールは画像の破綻を招く可能性があるため、適切な設定を心がけましょう。
画像生成AIで作成された画像に対しては著作権の適用が不明瞭で、画像生成AIを利用することで著作権侵害になるリスクをはらんでいます。AIが生成した画像が著作物の変容的利用といえるかどうかについては判断が難しい現状です。そのため、明らかに既存の作品を模倣したと思われる画像は避けるべきです。
審査を通過しやすくするためのポイントとして、ニッチな分野やテーマに特化することが効果的です。一般的な風景や人物画像は競争が激しいため、特定の業界やテーマに絞った画像の方が審査を通過しやすく、購入される可能性も高まります。たとえば、医療関連のイラスト、ビジネスシーンの多様性を反映した人物画像、季節の行事に特化した素材などは需要があります。
実際の収益性と成功事例から学ぶストックフォト販売戦略
AI画像を使ったストックフォト販売は、実際にどれくらいの収益が見込めるのでしょうか。実際の事例から現実的な見通しを把握することが重要です。
PhotoACを利用した事例では、月に2万円から3万円ほどを稼いでいるケースがあり、実際に使った時間は調べる時間含め30時間程度で、開始2か月で月3万円ほどの収益を作ることができたという報告があります。効率的に取り組めば、比較的短期間で一定の収益を得られる可能性があります。
画像生成AI Midjourneyを活用して3か月間で約4424枚のAI生成画像をPIXTAにアップロードした実践例も見られます。大量アップロードのアプローチは、初期の段階では効果的な戦略となる場合があります。ただし、前述のように質を重視しないと制限を受ける可能性があるため、バランスが重要です。
一方で、厳しい現実もあります。写真ACでは、たった2か月で月収5万円近くまで行っていたものの、規約変更により月収1500円くらいまで落ち、その後は月収700円くらいまで減少したという事例もあります。これは、プラットフォームの方針変更によるリスクを示す重要な教訓です。一つのプラットフォームに依存するのではなく、複数のプラットフォームに分散してリスクヘッジすることが賢明です。
AI画像でのストックフォトを行うなら、Adobe Stock一択という評価もされています。Adobe Stockは、大半のストックフォトサイトが生成AIで作成した写真のアップロードを禁止している中、生成AIの使用を許可しており、比較的高いロイヤリティを提供しています。PIXTAは大器晩成型の可能性があり、初期の収益は低くても、時間をかけてポートフォリオを充実させることで、安定した収入源になる可能性があります。
AI画像販売を副業や本業にして、月5万円以上を安定的に稼いでいる人も珍しくないという情報があり、ビジネス向け背景に特化して、年間を通じて安定的に毎月5万円程度の副収入を継続している副業デザイナーの方もいるとの報告もあります。成功の鍵は、特定のニッチ分野に特化すること、継続的に高品質な画像をアップロードすること、そして市場の需要を理解することです。
ただし、競争も激しくなっており、AIの普及により多くの人がこの分野に参入しているため、単に大量の画像を投稿するだけでは十分な収益を得ることは難しくなってきています。ニッチな分野の開拓や、高品質な画像の選別が成功の鍵となります。季節性のある画像(クリスマス、正月、夏休みなど)を先取りしてアップロードすることも、収益向上に有効な戦略です。
Midjourneyの始め方と初心者が押さえるべきポイント
Midjourneyは、Discord(ディスコード)というアプリ上で、チャット形式で操作して利用します。2025年1月現在、Midjourneyは無料では画像生成できず、有料プランへの加入が必須です。
まず、Midjourneyの公式サイトにアクセスし、「Sign Up」をクリックします。上部の「Continue with Discord」を選択することで、Discordアカウントと連携できます。Discordアカウントを持っていない場合は、事前に作成しておく必要があります。Discordは無料で利用できるコミュニケーションプラットフォームで、ゲーマーやクリエイターの間で広く使われています。
次に、Discordのチャンネル「getting-started」を選択し、ガイドの1番にあるリンクをクリックしてWebサイトに移動します。そこで月額払いまたは年額払いプランを選択し、「Subscribe」のボタンをクリックすることで、有料プランへの加入が完了します。支払い方法はクレジットカードが主流ですが、一部のデビットカードやPayPalも利用可能です。
画像を生成するには、Discordのチャット欄に「/imagine」というコマンドを入力し、その後にプロンプト(画像の説明文)を入力します。数秒から数分で4枚の画像が生成され、その中から気に入ったものを選択してアップスケール(高解像度化)することができます。
2025年3月現在の最新バージョンは「V6.1」で、リリース当初から定期的にバージョンアップを繰り返しています。最新の機能を活用することで、より高品質な画像生成が可能になります。2025年4月4日には「Midjourney V7(アルファ版)」が登場し、テキスト及び画像プロンプトへの理解力が大幅に向上しました。
初心者の方は、パワーワードを学びつつ、Discordのチャット上から綺麗に出力されている画像を探し、プロンプトを真似てみることから始めるといいでしょう。他のユーザーの成功例を参考にすることで、効果的なプロンプト作成のコツを早く習得できます。Midjourneyのコミュニティギャラリーでは、優れた画像とそのプロンプトが公開されているため、学習リソースとして非常に有用です。
基本的なパラメータとして、「–ar」はアスペクト比を指定します(「–ar 16:9」で横長、「–ar 9:16」で縦長など)。「–q」は品質を設定し、「–q 2」で高品質になりますが、GPU時間の消費も増えます。「–s」はスタイライズの強度を調整し、数値が高いほど芸術的な表現になります。
Midjourneyにまつわる訴訟問題と法的リスクの現状
Midjourneyの商用利用を考える際、避けて通れないのが著作権に関する訴訟問題です。この問題を理解しておくことは、リスク管理の観点から極めて重要です。
Midjourneyが学習データに用いた画像のアーティスト名を記載したリストが流出したことで、アメリカで大規模な訴訟問題に発展した経緯があります。2023年1月には、複数のアーティストから著作権侵害に関する訴訟を提起され、2023年11月には7名の新たな原告が加わり訴訟が拡大しました。原告らは、Midjourneyが許可なく自分たちの作品を学習データとして使用したことが著作権侵害にあたると主張しています。
この訴訟は、AI画像生成サービス全般に対する法的課題を浮き彫りにしています。学習データとして使用された画像の著作権者の許可を得ていなかったことが、主な争点となっています。AI技術の発展と著作権法の間には大きなギャップがあり、既存の法律では十分に対応できていない現状があります。
商用利用を行う際は、こうした法的リスクを認識した上で、慎重に判断することが求められます。特に大規模なビジネスや、高額な取引が発生する案件では、法務部門や弁護士に相談することも検討すべきです。企業のコンプライアンス部門と連携し、リスク評価を行うことが重要です。
生成AI(Midjourney)で作成したイラストである事を明記し、取引先に対して透明性を保つことで、万が一の訴訟リスクが顕在化した場合にも、責任の所在を明確にできます。契約書や発注書に「AI生成画像を使用」と明記しておくことで、後々のトラブルを回避できる可能性が高まります。
欧州連合(EU)では、AIによって生成されたコンテンツに対する著作権の扱いが議論されており、将来的に規制が強化される可能性があります。グローバルなビジネスを展開する場合は、こうした国際的な動向にも注意を払うことが求められます。AI規制法案が各国で検討されており、今後の法改正によっては、現在の利用方法が制限される可能性もあります。
商用利用での取引先への説明方法とコミュニケーション戦略
Midjourneyで生成した画像を商用利用する際、クライアントや取引先への適切な説明が重要です。透明性を確保することで、後々のトラブルを避けることができます。
まず、プロジェクトの初期段階で、AI画像生成ツールを使用することを明確に伝えましょう。見積もりや提案書の段階で「MidjourneyなどのAI画像生成ツールを使用します」と記載することで、クライアントの理解を得やすくなります。事前の説明なく使用し、後から発覚してトラブルになるケースが増えているため、最初の段階での開示が重要です。
AI生成画像のメリットも併せて説明すると効果的です。たとえば、ストックフォトでは見つからない独自のビジュアルを作成できる、短期間で複数のバリエーションを提案できる、コストを抑えられるといった点を強調できます。クライアントにとっての具体的な利点を示すことで、AI生成画像の使用に対する理解と承認を得やすくなります。
一方で、制約や注意点についても正直に伝えることが重要です。細かい修正には限界がある、完全にオリジナルの著作権を主張することは難しい、学習データに関する訴訟問題が存在するといった点を事前に説明しておくことで、期待値のズレを防げます。透明性を保つことで、長期的な信頼関係を構築できます。
契約書や発注書には、AI生成画像を使用することを明記し、その使用範囲や制限についても記載しておくことが推奨されます。特に、商標登録やブランドロゴなど、独占的な権利が重要な用途では、AI生成画像の使用が適切かどうかを慎重に検討する必要があります。法的保護が必要な用途では、人間のデザイナーによるオリジナル制作を選択すべき場合もあります。
クライアントからAI使用に対する懸念が示された場合は、具体的な対策を提示することが効果的です。たとえば、生成画像を基に人間のデザイナーが手を加えることで、オリジナリティを高める方法や、複数の画像を組み合わせて独自性を確保する方法などを提案できます。
2025年版Midjourneyの最新機能と進化
Midjourneyは常に進化を続けており、2025年には複数の重要なアップデートが実施されました。これらの最新機能を理解することで、商用利用の幅がさらに広がります。
2025年4月4日に登場した最新バージョン「Midjourney V7(アルファ版)」では、テキスト及び画像プロンプトへの理解力が大幅に向上しました。従来のバージョンでは曖昧だった表現も、より正確に解釈されるようになっています。複雑なシーンや細かいニュアンスの表現が可能になり、商用利用におけるクオリティが飛躍的に向上しました。
画像の描写精度も向上しており、特に人物の手や指、顔の細部など、これまで苦手とされていた部分の表現が大きく改善されました。ストックフォトとして販売する際、こうした細部の正確性は購入者の満足度に直結します。人物画像において、不自然な指の本数や歪んだ顔の表情が大幅に減少し、より自然な画像が生成されるようになりました。
コスト半分で生成速度10倍の「Draft Mode」も導入されました。この機能により、プロトタイプや下書きの段階で大量の画像を効率的に生成し、その中から最適なものを選んで本格的に仕上げるというワークフローが可能になりました。GPU時間の節約にもなるため、コスト効率が重視される商用プロジェクトで有効です。
2025年9月には「Style Explorer」という新しい機能が追加されました。自分の好みに合わせて、さまざまな画像スタイルを簡単に探して楽しめる機能です。この機能を使うことで、ブランドやプロジェクトに最適なビジュアルスタイルを見つけやすくなりました。一貫したビジュアルアイデンティティを確立したい企業にとって、非常に便利なツールとなっています。
画像編集機能も強化されており、生成後の画像に対して部分的な修正や要素の追加が可能になりました。「Vary Region」機能を使えば、画像の特定部分だけを再生成できるため、細かい調整が必要な商用プロジェクトでの使い勝手が向上しています。
実際の活用事例と成功のポイント
Midjourneyで生成した画像をバナー広告に使用した企業の事例では、ストックフォトの代わりとして十分な品質が得られたという報告があります。ただし、細かい調整が必要な場合は、生成後に画像編集ソフトでの加工が推奨されます。PhotoshopやFigmaと組み合わせることで、より完成度の高いビジュアルを作成できます。
ブログ記事のアイキャッチ画像として使用する場合、記事内容に合わせた独自性の高いビジュアルを作成できる点が強みです。ストックフォトでは見つからないニッチなテーマでも、適切なプロンプトで理想的な画像を生成できます。SEO効果も期待でき、オリジナル画像はGoogle画像検索での表示機会を高めます。
SNSマーケティングでの活用も効果的です。InstagramやTwitterなどで目を引く画像を定期的に投稿することで、フォロワーの増加やエンゲージメント向上が期待できます。ブランドの世界観を統一したビジュアルを量産できるため、一貫性のあるSNS運用が可能になります。
商用利用の範囲としては、NFT、グッズ、LINEスタンプやAI漫画の販売、収益化のあるYoutubeチャンネルのサムネイル画像等が該当します。これらの用途では、Midjourneyの生成画像が広く活用されています。特にYouTubeサムネイルでは、クリック率を高める魅力的なビジュアルを素早く作成できるメリットがあります。
ただし、利用するサービスが生成AIを禁止していないか確認する必要があります。たとえば、「ココナラ」では「AIによるイラスト作成を行うサービス」の出品が禁止されています。プラットフォームごとの規約を事前に確認することが重要です。
電子書籍の表紙デザインにMidjourneyを活用している自費出版作家の事例もあります。プロのデザイナーに依頼すると数万円かかる表紙デザインを、自分で作成することでコストを大幅に削減できています。ただし、商業出版の場合は出版社の方針を確認する必要があります。
利用規約の変更と最新情報の確認方法
Midjourneyの利用規約は定期的に更新される可能性があります。2025年1月時点の情報は本記事に記載の通りですが、常に最新の規約を確認することが重要です。
公式の利用規約は、Midjourney公式サイト(https://docs.midjourney.com/)で確認できます。特に商用利用を行う前には、必ず最新の規約を確認し、理解した上で使用を開始してください。規約は英語で記載されているため、英語が苦手な方は翻訳ツールを使用して正確に理解することが重要です。
規約変更の通知は、通常、登録メールアドレスやDiscordの公式チャンネルで行われます。これらのチャンネルを定期的にチェックすることで、重要な変更を見逃さないようにしましょう。Discordの「announcements」チャンネルをフォローしておくと、最新情報をいち早く入手できます。
重要な規約変更としては、2024年に無料プランが廃止されたことや、ステルスモードの提供範囲の変更などがありました。今後も料金体系や商用利用の条件が変更される可能性があるため、定期的な確認が必要です。特に年間収入の基準額(現在は100万ドル)は将来変更される可能性があります。
コミュニティフォーラムやRedditなどのユーザーコミュニティも、規約変更や新機能に関する情報交換の場として有用です。公式発表前に議論が始まることもあるため、参加することで最新動向を把握しやすくなります。
トラブル回避のための実践的なチェックリスト
商用利用を開始する前に、以下の点を確認してください。これらのチェックポイントを押さえることで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
- 有料プランに加入しているか(年間収入が100万ドル以上の企業はProプラン以上)
- 生成画像に著名なキャラクターや商標が含まれていないか
- 特定のアーティスト名や作者名をプロンプトに使用していないか
- ストックフォト販売の場合、AI生成画像である旨を明記しているか
- 利用するプラットフォームがAI生成画像を許可しているか
- ステルスモードの必要性(競合対策)を検討したか
- 最新の利用規約を確認したか
- 取引先にAI使用を事前に伝えたか
- 画像の品質が商用利用の基準を満たしているか
- バックアップや権利関係の証明を保存しているか
これらの確認を怠ると、後々トラブルに発展する可能性があります。特に著作権関連のトラブルは、金銭的損失だけでなく、ビジネスの信用にも関わる重大な問題です。チェックリストを印刷して、プロジェクトごとに確認することをおすすめします。
画像生成の履歴やプロンプトを記録しておくことも重要です。後から権利関係を証明する必要が生じた場合、生成日時やプロンプトの記録が証拠となります。Discordのチャット履歴は自動的に保存されますが、重要なプロジェクトでは別途スクリーンショットやテキストファイルで保存しておくと安心です。
海外での利用と国際的な著作権の考え方
Midjourneyは米国企業が提供するサービスですが、日本国内での利用においても米国の利用規約が適用されます。ただし、著作権に関する法律は国によって異なるため、国際的なビジネス展開を考えている場合は、各国の法律も考慮する必要があります。
日本では、AI生成物に対する著作権の扱いについて、文化庁が一定の見解を示していますが、明確な法律はまだ整備されていません。現状では、人間が創作的関与を行った場合に著作権が認められる可能性があるという解釈が主流です。Midjourneyで生成した画像をそのまま使用するのではなく、人間が手を加えることで、著作権保護の可能性が高まります。
欧州連合(EU)では、AIによって生成されたコンテンツに対する著作権の扱いが議論されており、将来的に規制が強化される可能性があります。グローバルなビジネスを展開する場合は、こうした国際的な動向にも注意を払うことが求められます。EU AI法案が2024年に可決され、2026年から段階的に施行される予定であり、AI生成コンテンツへの影響が注目されています。
中国では、AI生成画像に対する著作権について、裁判所が一定の条件下で著作権を認める判決を出した事例があります。国によって法的解釈が異なるため、複数の国で商用利用する場合は、各国の法律専門家に相談することが推奨されます。
国際的なストックフォトプラットフォームで販売する場合、購入者が世界中に広がるため、各国の法律に抵触しないよう注意が必要です。特に肖像権や商標権については、国によって保護範囲が異なるため、慎重な判断が求められます。
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