ストックフォトでテクスチャ素材を販売する稼ぎ方は、初心者でも取り組みやすく安定した需要が見込める副業の一つです。テクスチャ素材とは、木目や大理石、コンクリート、布、紙、金属などの表面の質感を撮影した画像のことで、Webデザインやグラフィックデザイン、3Dモデリングなど幅広い分野で使用されています。ストックフォト市場は世界的に拡大を続けており、2024年時点の市場規模は約61億ドルから71億ドルでしたが、2029年には約95億ドルに達すると予測されています。
この記事では、テクスチャ素材の需要が安定している理由から具体的な稼ぎ方、おすすめのプラットフォーム、撮影テクニック、タグ付けのコツ、AI時代の差別化戦略、そして確定申告まで、テクスチャ素材で収益を上げるために必要な情報を詳しくお伝えします。

ストックフォト市場の現状とテクスチャ素材の将来性
ストックフォト市場は、デジタルコンテンツの需要増加とともに着実に成長を続けています。2024年時点の世界のストック画像市場規模は約61億ドルから71億ドルと推定されました。この市場は今後も拡大が見込まれ、2029年には約95億ドル、2032年には約97億ドルに達するとの予測が出ています。年平均成長率(CAGR)はおよそ6パーセントから10パーセントの範囲で推移しています。
この成長を支えているのは、デジタルトランスフォーメーションの加速やEコマースの拡大、SNSマーケティングの普及、そしてオンライン教育プラットフォームの成長です。企業や個人がWebサイトやブログ、SNS、広告などにビジュアルコンテンツを必要とする場面は増え続けています。手軽に高品質な画像を入手できるストックフォトの需要は、今後も拡大していくと見込まれています。
地域別では、北米が2024年時点で38.2パーセントのシェアを占め市場をリードしていました。一方、アジア太平洋地域は2030年までに年平均7.9パーセントの成長が見込まれており、今後最も成長が期待される市場です。日本を含むアジア市場の拡大は、テクスチャ素材を販売するクリエイターにとっても大きな追い風となっています。
AI時代におけるストックフォトの動向
2025年から2026年にかけて、生成AIの進化がストックフォト市場に大きな影響を与えています。Midjourney、DALL-E、Stable Diffusion、Adobe Fireflyなどの画像生成AIは、テキストプロンプトから高品質な画像を数秒で生成できるようになりました。
しかし、AIの台頭はストックフォト市場の終焉を意味するものではありません。AIが得意とするのは概念的な画像やイラストの生成であり、実際の物理的な表面の質感を正確に再現することには依然として課題があります。テクスチャ素材は実際のモノを撮影して初めて得られるリアルさが価値であり、AIが生成する画像とは本質的に異なる強みを持っています。各ストックフォトサイトのAI生成画像への対応も分かれており、Adobe StockはAI生成画像の受け入れを許可していますが、多くのサイトでは禁止または制限を設けています。PIXTAでは一定の条件のもとでAI生成画像の登録が認められています。このような状況の中、本物の撮影による高品質なテクスチャ素材はAIでは代替できない価値を持つジャンルとして位置づけられています。
テクスチャ素材とは?需要が安定している理由
テクスチャ素材は、デザインの世界において「部品」として機能する汎用性の高い素材です。特定の季節やトレンドに左右されにくく、年間を通して安定した需要があることが最大の特徴となっています。
Webデザインの分野では、サイトの背景画像やヘッダー画像、セクション区切りの装飾などにテクスチャ素材が使われています。特にシンプルで使いやすいテクスチャは、文字を載せるデザインやバナー制作に重宝されます。グラフィックデザインの分野でも、ポスターやチラシ、名刺、パンフレットなどの印刷物において、テクスチャを重ねることで奥行きや温かみを演出できます。デザイナーがPhotoshopやIllustratorで加工する際に、テクスチャ素材は不可欠なリソースです。
3Dモデリングやゲーム開発の分野では、3Dオブジェクトの表面に貼り付けるマテリアルとしてテクスチャ画像が必要とされています。建築パースやインテリアデザイン、ゲームの環境デザインなど、高品質なテクスチャの需要は非常に大きいものがあります。さらに、プレゼンテーション資料やSNS投稿でも背景画像としてテクスチャ素材が活用されています。シンプルな質感の画像はテキストの可読性を保ちながら見栄えを向上させることができます。
テクスチャ素材ならではの強み
テクスチャ素材がストックフォトの副業として特に優れている点は複数あります。まず、撮影に特別なモデルやロケーションが不要です。人物撮影ではモデルリリース(肖像権使用許諾書)が必要になりますが、テクスチャ素材は身近な素材を撮影するだけで済みます。
また、木目やコンクリートなどの基本的なテクスチャは流行に関係なく常に需要があります。一度登録すれば長期間にわたってダウンロードされ続ける「ストック資産」になりやすいという特徴があります。撮影の天候にも左右されにくく、屋内で撮影できるテクスチャも多いため雨の日でも作業を進められます。さらに、同じ場所で異なるアングルや距離から撮影するだけで複数のバリエーションを効率的に制作できるため、量産がしやすいという利点もあります。
売れ筋のテクスチャカテゴリと需要の高いジャンル
テクスチャ素材にはさまざまなカテゴリがあり、それぞれ異なるユーザー層にリーチできます。ストックフォト市場で特に需要の高いカテゴリを把握しておくことは、効率的に収益を上げるために重要です。
| カテゴリ | 主な用途 | 人気のバリエーション |
|---|---|---|
| 木目 | インテリア系Webサイト、飲食店メニュー、ナチュラル系ブランド | オーク、ウォールナット、パイン、ビンテージウッド |
| 大理石 | ジュエリーブランド、化粧品ブランド、ホテル・不動産関連 | 白、グレー、黒、ゴールド |
| コンクリート | ファッション、建築、インテリア関連 | インダストリアル、モダン系デザイン向け |
| レンガ | カフェ・レストランメニュー、ビンテージ風デザイン | 赤レンガ、白レンガ、古レンガ |
| 紙 | 招待状デザイン、スクラップブッキング、ブログアイキャッチ | 和紙、クラフト紙、古紙、水彩紙 |
| 金属 | テクノロジー系、インダストリアル系デザイン | 錆びた鉄、ブラッシュドメタル、銅、ゴールド |
| 布・ファブリック | ファッション系、ライフスタイル系デザイン | リネン、シルク、デニム、ニット |
木目テクスチャは温かみのあるデザインに欠かせない素材であり、樹種や色合いのバリエーションが豊富であるほど売れやすい傾向があります。大理石テクスチャは高級感のあるデザインに不可欠で、ジュエリーや化粧品、ホテル関連のデザインで特によく使用されています。コンクリートテクスチャはインダストリアルデザインやモダンな雰囲気の演出に適しており、ファッションや建築分野で需要があります。
紙テクスチャは和紙やクラフト紙、古紙、水彩紙など種類が多岐にわたり、招待状デザインやスクラップブッキング、ブログのアイキャッチ画像など幅広い用途で使用されます。金属テクスチャはテクノロジーやインダストリアル系のデザインに使われ、布・ファブリックテクスチャはファッション系やライフスタイル系のデザインで需要があります。このほか、水面や砂、土、芝生、苔、氷、雪など自然素材のテクスチャも安定した人気があります。
ストックフォトでテクスチャ素材を販売する稼ぎ方とおすすめプラットフォーム
テクスチャ素材を販売するにあたって、プラットフォーム選びは収益に直結する重要なポイントです。それぞれのプラットフォームには異なる特徴と報酬体系があり、自分の状況に合った選択が求められます。
PIXTA(ピクスタ)の特徴と報酬
PIXTAは日本最大級のストックフォトサービスで、登録クリエイター数は40万人を超え、素材点数は8800万点以上にのぼります。日本人向けのコンテンツに強みがあり、国内のデザイナーや企業からの需要が高いプラットフォームです。
報酬体系はクリエイターランクに応じて販売価格の22パーセントから42パーセントが支払われます。独占販売を選択した場合はさらに高い報酬率が適用されます。1枚あたりの報酬は安くても27.5円で、200円から700円、中には1000円以上で売れることもあります。審査はやや厳格ですが、リジェクト理由が明確に示されるためスキル向上に役立ちます。初回登録時の申請上限は30枚で、無料セミナーも定期的に開催されており初心者のスキルアップに適しています。
Adobe Stockの特徴と報酬
Adobe Stockは、Adobe Creative Cloudと連携したグローバルなプラットフォームで世界中のデザイナーが利用しています。日本的な素材には希少価値があり、和風のテクスチャや日本の季節感を反映した素材は海外市場で高い評価を得る可能性があります。
報酬は1枚あたり安くて50円ですが、100円から500円で売れることが多くなっています。写真の報酬率は33パーセントです。なお、最低解像度要件が4メガピクセルから15メガピクセルに引き上げられており、技術的要件がより厳格になっている点には注意が必要です。
Shutterstock(シャッターストック)の特徴と報酬
Shutterstockは世界最大級のストックフォトプラットフォームで、圧倒的なユーザー数を誇ります。ダウンロード数が多いため大量に売れやすいという特徴があります。報酬体系はティアシステムを採用しており、年間ダウンロード数に応じてロイヤリティ率が変動します。100ダウンロードまでは15パーセント、101から250ダウンロードで20パーセント、251から500で25パーセント、501から2500で30パーセント、2501から25000で35パーセント、25001以上で40パーセントのロイヤリティ率が適用されます。テクスチャ画像に特化した戦略でレベル3に到達したクリエイターの事例もあり、テクスチャ素材はShutterstockで特に売れやすいカテゴリの一つとされています。
写真ACの特徴
写真ACは無料素材サイトですが、クリエイターにはダウンロード数に応じた報酬が支払われます。1ダウンロードあたりの報酬は数円と少額ですが、ダウンロード数が非常に多いため量で稼ぐことができます。審査のハードルが低く、初心者がストックフォトの経験を積むための入門プラットフォームとして最適です。
複数プラットフォーム戦略の重要性
ストックフォト業界では、同じ素材を複数のプラットフォームに登録する「非独占販売」が一般的な戦略です。一つのプラットフォームに限定するよりも複数に登録することで販売機会を最大化できます。ただし、PIXTAの独占販売を選んだ場合は他のプラットフォームへの登録はできないため、報酬率と販売機会のバランスを考慮して判断する必要があります。初心者はまずPIXTAと写真ACから始めて基本的なスキルと経験を積み、慣れてきたらAdobe StockやShutterstockに挑戦して海外市場にも展開していくのがおすすめのステップです。
テクスチャ素材の撮影テクニックとカメラ設定
テクスチャ素材の撮影には、必ずしも高価な機材は必要ありません。ただし、品質の高い素材を制作するためにはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
必要な機材と準備
カメラについては、一眼レフやミラーレスカメラが理想的ですが最近のスマートフォンでも十分に高品質なテクスチャ写真を撮影できます。重要なのは最低でも15メガピクセル以上の解像度があることです。レンズはマクロレンズがあると表面の細かいディテールを鮮明に撮影でき、テクスチャ素材の品質を大幅に向上させることができます。標準ズームレンズでも問題ありませんが、被写体に十分近づける最短撮影距離を確認しておくとよいでしょう。
三脚はブレのない鮮明な画像を撮影するために欠かせない機材です。特にマクロ撮影や低照度環境での撮影では、手持ちでは不十分な場合が多くなります。ライティングについては自然光が最も手軽で美しい光源となります。窓から入る自然光を活用するのがおすすめで、曇りの日のような柔らかい光がテクスチャの質感を最も自然に表現できます。直射日光は強いコントラストを生むため、テクスチャ素材には不向きな場合が多いです。
カメラの最適な設定
ISO感度はできるだけ低く設定することが重要です。ISO100からISO400の範囲が理想的で、感度を低く保つことでノイズの少ないクリアな画像が得られます。ストックフォトの審査ではノイズが多い写真はリジェクトされやすいため、ISO感度の管理は特に重要です。
絞り値(F値)はテクスチャ全体にピントが合うようにF8からF11程度に設定するのが一般的です。開放絞りでは被写界深度が浅くなり、テクスチャの一部しかピントが合わなくなるため注意が必要です。シャッタースピードは手ブレが発生しない速度を確保します。三脚を使用する場合はスローシャッターでも問題ありませんが、手持ち撮影の場合は焦点距離分の1秒以上のシャッタースピードが目安となります。ホワイトバランスは色の正確さが重要なテクスチャ素材においてはオートよりも手動設定が望ましく、グレーカードを使用すると正確な色再現が可能になります。
撮影のコツと実践テクニック
テクスチャ素材の撮影では正面から撮影するのが基本です。表面の質感を均一に記録することが目的であるため、カメラを被写体に対して垂直に構えパースペクティブ(遠近感)が出ないようにします。斜めから撮影すると手前と奥でテクスチャのサイズが変わってしまい、デザインでの使いにくさにつながります。
均一なライティングも重要なポイントです。影が強く出るとテクスチャの一部が暗くなり使いにくくなるため、ディフューザーやレフ板を使って光を均一に当てるか曇りの日の自然光を利用するとよいでしょう。テクスチャ素材はトリミングして使われることが多いため、画像の端まで均一な品質が求められます。フレームの端に不要なものが写り込んでいないか、テクスチャが途切れていないかを確認することも大切です。
シームレスパターンを意識した撮影もテクスチャ素材の価値を高めます。デザイナーはテクスチャ素材をタイル状に繰り返して使用することが多いため、上下左右がつながるようなシームレスパターンのテクスチャは特に価値が高くなります。Photoshopの「スクロール」フィルターを使って継ぎ目を確認・修正することで、より実用的な素材に仕上げることができます。同じ被写体でも寄りと引き、縦位置と横位置、明るいトーンと暗いトーンなどさまざまなバリエーションを撮影しておくことで、購入者のニーズに幅広く対応できます。
身近なテクスチャの見つけ方
テクスチャ素材の撮影に遠くへ出かける必要はありません。身の回りには売れるテクスチャ素材になり得る被写体があふれています。自宅内であれば、木のテーブルや床板の木目、タイルの壁や床、カーテンやクッションの布地、革製品の表面、紙の質感、食器の表面などが挙げられます。
屋外ではコンクリートの歩道や壁面、レンガの壁、アスファルト、錆びた金属フェンス、苔むした石、樹皮、落ち葉が積もった地面などが撮影対象となります。自然素材では砂浜の砂や川の石、水面の波紋、氷の表面、雪の結晶、花びらの接写なども需要のあるテクスチャ素材になります。日常的にテクスチャになり得る被写体を意識して観察する習慣をつけることで、撮影のネタに困ることはなくなるでしょう。
タグ付けとキーワード戦略でテクスチャ素材の売上を伸ばす方法
ストックフォトにおけるタグ付け(キーワード設定)は、作品と購入者を結ぶ架け橋であり売上を左右する極めて重要な要素です。どんなに素晴らしい写真でも適切なタグが設定されていなければ、検索結果に表示されず購入者の目に触れることはありません。
効果的なタグ付けの方法
テクスチャ素材のタグ付けでは、複数のカテゴリに沿ってキーワードを設定するのが効果的です。まず素材の種類を表すキーワードとして「テクスチャ」「背景」「パターン」「質感」「表面」「素材」などを必ず含めます。次に具体的な被写体名として「木目」「大理石」「コンクリート」「レンガ」「金属」「布」「紙」など、写っている素材の名称を正確に入力します。
色に関するキーワードも重要です。「白」「黒」「グレー」「茶色」「ベージュ」「ブルー」などを含めることで、色を条件に検索するデザイナーにリーチできます。さらに用途や雰囲気に関するキーワードとして「ナチュラル」「ビンテージ」「モダン」「インダストリアル」「高級感」「温かみ」「クール」「和風」「シンプル」などを設定します。使用シーンに関するキーワードとして「壁紙」「Web背景」「バナー」「ポスター」「メニュー」「名刺」「プレゼン」なども含めると、具体的なニーズを持った購入者に届きやすくなります。
海外プラットフォームではもちろんのこと、国内プラットフォームでも英語キーワードを追加しておくと海外ユーザーからの購入機会が増えます。「texture」「background」「pattern」「surface」「wood grain」「marble」「concrete」などを設定しておくとよいでしょう。
タグ付けの注意点とAI活用
関連性のないキーワード(スパムワード)の使用は厳禁です。検索結果の質を下げるだけでなく、プラットフォームのアルゴリズムによるペナルティを受けたり最悪の場合アカウント閉鎖につながったりする可能性があります。タグの数は一般的に20から50個程度が適切とされており、最も重要なキーワードを先頭に配置し関連度の高い順に並べるのが効果的です。
ChatGPTやGeminiなどのAIツールを活用したタグ付け効率化も注目されています。画像をAIに読み込ませることで、適切なキーワードの候補を迅速に生成することが可能になりました。特にテクスチャ素材やパターン画像ではAIによるキーワード提案の精度が高いとされています。ただし、AIの提案をそのまま使うのではなく市場の需要やプラットフォームの特性に合わせて取捨選択することが重要です。
AI時代におけるテクスチャ素材の差別化戦略
生成AIの進化は目覚ましいものがありますが、テクスチャ素材の領域においてはAIにはまだ明確な限界があります。この限界を理解し差別化に活かすことが、ストックフォトで安定した収益を上げるための鍵となります。
AIが苦手とするテクスチャの領域
物理的なリアルさにおいて、実際の木目の微妙な節や色の変化、大理石の自然な紋様、コンクリートの経年変化による独特の風合いなど、現実世界の複雑さをAIが完全に再現することは困難です。シームレスパターンとして使用できるテクスチャの生成もAIにとってまだ課題が多く、繰り返しパターンの不自然さが目立つことがあります。高解像度で細部まで鮮明なテクスチャ画像を生成するにもAIには限界があり、プロの撮影による高品質なテクスチャは依然として高い価値を持っています。
差別化の具体的なポイント
AI時代にストックフォトで差別化するためには、まず「本物」であることの価値を打ち出すことが重要です。実際の撮影であることをタグやタイトルで明示し、リアルな質感を求める購入者にアピールします。
地域性や文化性を活かすことも有効な戦略です。日本の伝統的な素材のテクスチャは海外のデザイナーにとって希少性が高く、AIでは生成しにくい素材です。和紙や畳、瓦、木造建築の木目、竹、漆器などは国際的に高い価値を持っています。さらに高解像度と高品質を追求し、AIが生成する画像よりも圧倒的に高い水準を提供することで、プロのデザイナーが求めるクオリティを満たすことができます。同じカテゴリのテクスチャを統一感のあるシリーズとして展開することも、まとめて購入される機会を増やす効果的な方法です。
収益の目安とストックフォトで月5万円を目指すロードマップ
ストックフォトの収益は登録素材数や品質、プラットフォームの選択、キーワード戦略など多くの要因によって変動します。現実的な収益の目安を把握しておくことが大切です。
経験レベル別の収益目安
初心者で100枚から300枚程度の素材を登録している場合、月に約3000円から15000円程度が現実的な目標です。始めたばかりの段階では月に数百円から数千円という実績が一般的です。中級者で500枚から1000枚程度になると、月に約45000円から150000円程度を狙うことができます。商業的なニッチを狙った高品質な素材を継続的に投稿しキーワード最適化を行っていれば、このレベルに到達する可能性があります。上級者でトップクリエイターは3万枚以上、多い人で20万枚以上を販売しており、月に数万円から数十万円の収益を安定的に得ているケースもあります。
実際の事例として、ストックフォト5社に登録して1年間活動した結果、年間売上43197円(月平均約3600円)という報告があります。一見すると少額に見えますが、一度登録した素材は継続的にダウンロードされ続けます。素材数が増えるほど収益も積み上がっていくのがストックフォトの大きな特徴です。
月5万円を目指すためのロードマップ
最初の3か月は準備期間として位置づけます。カメラやライティングの基礎を学びPIXTAと写真ACに登録します。テクスチャ素材を中心に100枚から200枚程度の素材を制作・登録し、審査の傾向とリジェクト理由を把握していきます。
4か月目から6か月目は拡大期間です。Adobe StockやShutterstockにも登録を広げ、素材数を500枚程度まで増やします。売れている素材の傾向を分析し需要の高いカテゴリに注力していきます。
7か月目から12か月目は最適化期間です。タグ付けの改善や品質の向上、シリーズ素材の制作に取り組みます。素材数を1000枚以上に増やしダウンロード数のデータを基に戦略を調整します。
1年目以降は継続的に新素材を追加しながら、売れ筋カテゴリの深掘りと新しいカテゴリへの展開を行い月5万円の安定収入を目指します。月に30枚のテクスチャ素材を登録すれば1年で360枚、3年で1080枚の素材がストックされダウンロードの機会も着実に増えていきます。
後処理と審査対策のポイント
撮影したテクスチャ素材はそのままでは審査に通らないことがあります。LightroomやPhotoshopを使った基本的なレタッチを行うことで、品質を向上させ審査通過率を高めることができます。
レタッチの基本
明るさとコントラストの調整では、テクスチャの質感が最も伝わるように適切なバランスに整えます。暗すぎたり明るすぎたりするとテクスチャのディテールが失われてしまいます。色調補正では撮影時のライティングによる色かぶりを補正し、素材本来の色を正確に再現します。特にホワイトバランスの調整は重要な工程です。
ノイズ除去では高ISO感度で撮影した場合に発生するノイズを適度に除去します。ただし過度なノイズ除去はテクスチャのディテールを損なうため、バランスが重要です。レンズ補正では広角レンズで撮影した際に発生する歪みやビネット(周辺減光)を補正し、テクスチャが均一に見えるようにします。
審査でリジェクトされやすいポイント
ノイズが多い画像はISO感度を低く保ち適切な露出で撮影することで回避できます。ピントが甘い画像は三脚を使用し適切な絞り値で撮影することで解決します。テクスチャ全体にピントが合っていることを確認することが大切です。類似コンテンツとしてリジェクトされる場合は既に大量に登録されているテクスチャと差別化する必要があり、独自のアングルや被写体を選ぶことが重要です。解像度不足はプラットフォームの要件を事前に確認し十分な解像度で撮影することで防ぐことができます。Adobe Stockでは最低15メガピクセルが要求されます。
ストックフォトの確定申告と税金の注意点
ストックフォトの収入は「雑所得」または「事業所得」として扱われ、一定の条件を満たすと確定申告が必要になります。副業としてテクスチャ素材の販売を行う場合は、税金に関する基本的な知識を身につけておくことが大切です。
確定申告が必要になるケース
会社員の場合は、本業以外の所得(収入から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下であっても住民税の申告は別途必要なため注意が必要です。専業主婦や学生の場合は所得が48万円(基礎控除額)を超えると確定申告が必要となります。扶養控除の範囲から外れる可能性もあるため、収入が増えてきた場合は注意が求められます。
経費として計上できるもの
ストックフォトの活動にかかった費用は経費として計上することで課税所得を減らすことができます。カメラやレンズ、三脚、照明機材などの撮影機材は「減価償却費」として計上し、10万円以上の機材は複数年にわたって減価償却する必要があります。パソコンやモニター、ストレージなどの情報機器も減価償却費の対象です。
LightroomやPhotoshopの月額料金は「通信費」または「消耗品費」として計上できます。インターネット回線料金は「通信費」として計上可能ですが、私的利用との按分が必要です。撮影に出かけた際の交通費は「旅費交通費」、撮影用の小道具は「消耗品費」として計上します。ストックフォトサイトの販売手数料も経費として計上可能であり、売上明細を保存しておくことが重要です。
副業が会社に知られないための対策
副業としてストックフォトを行う場合、確定申告書の第二表にある「住民税の徴収方法」で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで副業分の住民税が会社の給与から天引きされなくなります。これにより副業の存在が会社に知られにくくなります。
ストックフォトでテクスチャ素材を販売して稼ぐためのまとめ
ストックフォトにおけるテクスチャ素材の販売は、初心者でも始めやすくAI技術が進化する現在においても安定した需要がある魅力的な副業です。市場は世界的に成長を続けており、年平均6パーセントから10パーセントのペースで拡大しています。
テクスチャ素材は身近な場所で撮影でき、モデルやロケーションが不要で季節を問わず年間を通して需要があるという強みを持っています。成功のためには複数のプラットフォームに登録し、高品質な素材を継続的に投稿し適切なキーワード戦略を実行することが重要です。
短期的な利益を追い求めるのではなく、長期的な視点でストック資産を築いていくことがストックフォトで安定した収入を得るための王道です。定期的にダウンロード数や売上データを分析し、売れている素材の傾向を把握することも欠かせません。売れている素材の共通点を見つけ次の撮影に活かすことで、効率的に収益を伸ばしていくことができます。
デザインのトレンドにもアンテナを張り需要の変化に対応することも大切です。ミニマルデザインが流行すればシンプルなテクスチャの需要が高まり、レトロブームが来ればビンテージ感のあるテクスチャが求められます。今日からカメラを持って身の回りのテクスチャを探してみてください。自宅のテーブルの木目、近所の壁のレンガ、公園のベンチの金属など、あなたの周りにはすでに売れるテクスチャ素材の宝庫が広がっています。

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