ストックフォトで街中の通行人が写り込んだ場合、肖像権侵害を防ぐための対処法として、撮影時の工夫、撮影後の編集処理、そしてモデルリリースの取得が有効です。ストックフォトは商業目的で販売される写真であるため、個人利用の撮影よりも肖像権に関して厳格な対応が求められます。
街中の風景や建物の写真はストックフォトとして高い需要がありますが、公共の場での撮影では通行人の写り込みを完全に避けることは困難です。PIXTAやAdobe Stock、Shutterstockといった主要プラットフォームでは、個人が特定できる形で人物が写っている写真にはモデルリリース(肖像権使用許諾書)の提出が原則として求められています。本記事では、ストックフォトとして街中で撮影した写真における肖像権の基礎知識から、通行人の写り込みへの具体的な対処法、プラットフォーム別の対応、そして万が一トラブルが発生した場合のリスクまで、詳しく解説します。

ストックフォトにおける肖像権の基礎知識
肖像権とは、自分の容姿を無断で撮影されたり、撮影された写真を無断で公表されたりしない権利のことです。 日本の法律には肖像権を直接規定する条文は存在しませんが、憲法第13条の幸福追求権や人格権の一部として判例で認められてきました。
肖像権にはプライバシー権としての肖像権とパブリシティ権の2つの側面があります。プライバシー権としての肖像権は、すべての人に認められる権利で、自分の姿を無断で撮影・公表されない権利です。一方、パブリシティ権は芸能人やスポーツ選手など著名人の肖像が持つ経済的価値(顧客吸引力)を保護する権利です。有名人の写真を無断で商品の宣伝に使用するなどの行為がパブリシティ権侵害に該当します。ストックフォトにおいて主に問題となるのは、プライバシー権としての肖像権です。街中で撮影した写真に通行人が写り込んだ場合、その通行人のプライバシーが侵害される可能性があるためです。
肖像権侵害の判断基準と6つの考慮要素
肖像権侵害かどうかは、最高裁判所が示した6つの要素を総合的に考慮して判断されます。 この判断基準は、ストックフォト撮影者にとって非常に重要な指針です。
| 判断要素 | 内容 |
|---|---|
| 被撮影者の社会的地位 | 公人か一般人かで許容される撮影の範囲が異なる |
| 被撮影者の活動内容 | 公の活動中か、プライベートな活動中かが考慮される |
| 撮影の場所 | 公共の場か私的な場所かで判断が異なる |
| 撮影の目的 | 報道・公益目的か商業目的かで厳格さが変わる |
| 撮影の態様 | 隠し撮りや至近距離からの撮影は侵害と判断されやすい |
| 撮影の必要性 | 代替手段がある場合は侵害と判断されやすい |
これらの要素を総合的に考慮した上で、被撮影者の人格的利益の侵害が「社会生活上受忍の限度」を超えるかどうかで判断されます。つまり、社会通念上、一般的に我慢すべき範囲を超えているかどうかが重要なポイントです。ストックフォトの撮影は明確な商業目的であるため、撮影の目的の観点からはより厳格に判断される傾向があります。
近年の裁判例にみる肖像権の判断基準の変化
近年、東京地方裁判所からは従来とは異なるアプローチで肖像権侵害を判断する裁判例が複数出ています。 これらの裁判例では、従来の「総合考慮+受忍限度」という枠組みに加え、肖像権侵害を3つの類型に分けて判断する枠組みが示されました。
第一の類型は被撮影者の私的領域での撮影・公表です。自宅やプライベートな空間での無断撮影がこれに該当します。第二の類型は公的領域での社会通念上の受忍限度を超える侮辱行為であり、公共の場であっても撮影の態様が被撮影者の尊厳を著しく侵害する場合です。第三の類型は平穏に日常生活を送る利益を害する場合で、執拗な撮影行為など被撮影者の日常生活の平穏を乱す場合がこれに当たります。ストックフォトの撮影者としては、このような判断基準の変化にも注意を払う必要があります。
ストックフォトの特殊性とモデルリリースの必要性
ストックフォトは商業目的で販売される写真であり、個人利用の場合よりも肖像権が厳格に判断されます。 その理由として、撮影の目的が明確に商業的であること、そして写真がどのような文脈で使用されるか撮影者側でコントロールできないことが挙げられます。街中で撮影した写真に写り込んだ通行人の写真が、購入者によって意図せずネガティブなイメージの広告などで使用された場合、被写体となった人物が受ける不利益は大きくなります。
このため、ストックフォトを販売する場合はモデルリリース(肖像権使用許諾書)の取得が原則として求められます。モデルリリースとは、写真の被写体本人または保護者・代理人が、販売用ストック素材への使用に同意していることを示す書類です。個人が特定できる形で人物が写っている写真はもちろん、撮影者本人やその家族が被写体であっても個人が特定できる場合はモデルリリースが必要です。メインの被写体でなくても、たまたま写り込んだ人物の個人が特定できる場合も同様であり、複数人が写っている場合は特定可能な人数分のモデルリリースが求められます。
一方、手や足などボディパーツのみが写っている場合、シルエットや後ろ姿で個人が特定できない場合、極めて小さく写っており個人の特定が困難な場合、ぼかし処理を施して個人の識別ができない場合はモデルリリースが不要とされています。PIXTAやAdobe Stockなどの主要プラットフォームは、モデルリリースが取得されている写真の方が購入者の安心感につながるため、可能な限りモデルリリースの取得を推奨しています。
プロパティリリースについても知っておくべきこと
肖像権に加えて、ストックフォトではプロパティリリース(撮影物使用許諾書)についても理解しておく必要があります。 プロパティリリースは、撮影した建物や施設の所有者・管理者から、その写真を商業利用することへの同意を得たことを示す書類です。
プロパティリリースが必要となる主な被写体は、著作権で保護された作品(アート作品、壁画など)、商標や意匠として保護されたもの(企業ロゴ、キャラクターなど)、特定可能な私有の住宅や敷地、店舗や建物の内部、そして一部の有名な建造物の外観です。街中の撮影では看板やロゴ、店名なども写り込む可能性があるため、特定できないようにトリミングしたり塗りつぶしたりする対策が必要になります。
街中の通行人の写り込みが肖像権侵害とならないケース
通行人の写り込みが肖像権侵害となるかどうかは、主に「個人が特定できるかどうか」が大きなポイントです。 以下のような場合は、肖像権侵害とならない可能性が高いです。
背景に豆粒のような大きさで写り込んでおり個人を識別することが困難な場合は、肖像権侵害にはならないと考えられます。撮影技法として被写界深度を浅くし、通行人がぼけて写っている場合も個人の特定ができないため侵害とならない可能性が高いです。顔が写っておらず後ろ姿だけであれば原則として肖像権侵害とはなりにくいですが、特徴的な服装や持ち物から個人が特定できる可能性がある場合は注意が必要です。大勢の人がいるイベント会場や繁華街で群衆の一部として写っている場合も、特定の個人に焦点が当たっていないため侵害とはなりにくいです。体の一部のみが写っており個人を特定できない場合も問題とはなりません。
通行人の写り込みが肖像権侵害となる可能性が高いケース
一方で、以下のような状況では肖像権侵害と判断されるリスクが高くなります。 被写体のメインとして、または大きく鮮明に通行人の顔が写っている場合は、肖像権侵害のリスクが非常に高いです。意図的に通行人の顔をカメラで捉えた場合は、たとえ公共の場であっても問題視されます。
風景や建物ではなく通行人そのものが写真の主要な被写体となっている場合も危険です。たとえ街中であっても、飲食中の姿やカップルの親密な様子などプライベートな場面を撮影した場合は侵害の可能性が高まります。カメラを向けて嫌がる素振りを見せた人をそのまま撮影し続けた場合は、明確に問題となります。
実際に起きた肖像権トラブルの事例
2020年2月、大手カメラメーカーの富士フイルムが公開した動画がSNS上で大きな炎上を引き起こしました。 この動画は、著名なストリートフォトグラファーが渋谷の街中で通行人を撮影する様子を捉えたものでした。動画の中でカメラマンは道行く人に突然至近距離でカメラを向け、驚いたり怪訝な表情を浮かべる通行人の姿を撮影していました。
この撮影手法は、無許可で通行人の正面から超至近距離で撮影するものであり、多くの視聴者から「不愉快だ」「プライバシーの侵害だ」「盗撮ではないか」といった批判が殺到しました。富士フイルムは動画を削除し、プロモーションとしてこの動画を使用した企業の責任も問われることとなりました。この事件は、たとえアート性の高いストリートスナップであっても、被写体となる人々のプライバシーや感情を無視した撮影は社会的に容認されないことを示す象徴的な出来事です。
また、写真コンテストの審査現場では、肖像権への配慮が欠けた作品を入選させることへの懸念が高まっており、撮影者の間では「萎縮」のムードが広がっているとも報じられています。アサヒカメラが2016年に肖像権問題を初めて取り上げて以降、この問題への関心は年々高まっています。
ストックフォト撮影時にできる肖像権の対処法
撮影時に工夫を凝らすことで、通行人の写り込みによる肖像権侵害のリスクを大幅に減らすことができます。 もっとも基本的な対処法は、早朝や深夜など通行人が少ない時間帯を狙って撮影することです。街の雰囲気を伝えつつも人物の写り込みを最小限に抑えることができます。
長時間露光(スローシャッター)を活用する方法も非常に有効です。三脚を使用してシャッタースピードを遅く設定して撮影すると、動いている通行人はブレて個人を識別できなくなります。街の躍動感も表現できる一石二鳥の手法です。望遠レンズを使用して被写界深度を浅くすれば、メインの被写体以外の人物を自然にぼかすことができ、通行人が背景に溶け込んで個人の識別が困難になります。
通行人が正面を向いていない瞬間を狙い、後ろ姿やシルエットを捉える方法も効果的です。カメラの位置を高くしたり低くしたりして、通行人の顔が直接写らないアングルを選ぶこともできます。フレーミングを工夫して通行人をフレームの端や小さく入れるようにすることも大切です。あくまで建物や風景、街の雰囲気が主体であり、通行人は風景の一部に過ぎないという構図を意識することで、写り込みが「付随的」であると主張しやすくなります。
撮影後の編集による肖像権の対処法
撮影後の編集処理は、肖像権侵害を防ぐもっとも一般的で確実な対処法です。 Adobe PhotoshopやLightroom、GIMPなどの編集ソフトを使用して、写り込んだ通行人の顔にぼかしやモザイク処理を施すことができます。構図に余裕がある場合はトリミングによって通行人部分を切り取ることで問題を解消できます。Adobe Photoshopのクローンスタンプツールやコンテンツに応じた塗りつぶし機能を使用して、通行人を背景に馴染むように消去する方法もあります。通行人だけでなく、写り込んだ企業ロゴや看板、商標なども消去またはぼかし処理を行うことが、プロパティリリースの問題を回避するためにも重要です。
ただし、過度な編集はストックフォトのプラットフォームによっては受け入れられない場合があります。ぼかしやモザイクを入れることで写真の商業的価値が下がる可能性もあるため、撮影時にできる限りの対策を講じることが望ましいです。
モデルリリースの取得と著作権法の活用による法的対処法
法的な対処法としては、モデルリリースの取得がもっとも確実な方法です。 撮影に協力的な通行人がいれば、その場でモデルリリースに署名してもらうことができます。スマートフォンアプリでモデルリリースを作成・署名できるサービスもあり、PIXTAやAdobe Stockなどの各プラットフォームはモデルリリースのテンプレートを提供しています。特定の人物を撮影したい場合は、撮影前に一声かけて許可を得た上で撮影し、モデルリリースに署名してもらうのが理想的な流れです。
2020年に改正された著作権法30条の2は、「付随対象著作物の利用」として、撮影時に他の著作物が写り込んだ場合の利用を一定の条件のもとで認めています。改正により、従来は写真の撮影、録音、録画に限定されていた適用対象がスクリーンショットや生配信なども含む複製伝達行為全般に拡大されました。「分離困難性」の要件が緩和され、代わりに「正当な範囲内」という要件が導入されています。正当な範囲内かどうかは、利益を得る目的の有無、分離の困難性の程度、付随対象著作物が果たす役割などを考慮して判断されます。ただし、この規定は主に著作物の写り込みに関するものであり、肖像権の問題を直接解決するものではない点に注意が必要です。
ストックフォトプラットフォーム別の肖像権対応
主要なストックフォトプラットフォームはいずれもモデルリリースの提出を求めていますが、それぞれ特徴が異なります。
| プラットフォーム | 特徴 | モデルリリース | 売れやすい写真の傾向 |
|---|---|---|---|
| PIXTA | 日本最大級、日本人クリエイターが多い | 個人特定可能な写真は原則必要 | 海外で撮影した写真が希少性あり |
| Adobe Stock | グローバル展開、外国人クリエイターが多い | 商業利用素材は厳格に求められる | 日本の街並み・風景写真に希少性あり |
| Shutterstock | 世界的なプラットフォーム | 人物識別可能な写真は必要 | 建物・私有地識別可能な場合はプロパティリリースも必要 |
各プラットフォームともリリースの要件は基本的に同様ですが、細かなルールや審査基準は異なるため、利用するプラットフォームのガイドラインを事前に確認しておくことが重要です。
肖像権侵害が発生した場合のリスクと損害賠償
肖像権侵害が認定された場合、慰謝料・損害賠償の請求を受ける可能性があります。 日本における肖像権侵害の慰謝料相場は一般的に10万円から50万円程度とされています。ただし、撮影・公表された内容が極めてプライベートなものであった場合、撮影・公表の目的が悪質であった場合、肖像権侵害に加えて名誉毀損など他の権利侵害も生じている場合、写真が広範囲に拡散され被害が大きくなった場合は慰謝料が増額される可能性があり、数百万円の損害賠償が命じられるケースもあります。
肖像権を侵害された人物から写真の削除を要請される可能性もあります。ストックフォトプラットフォームに登録した写真について削除要請を受けた場合は、速やかに対応する必要があります。すでに購入者が使用している場合は事態がさらに複雑になります。プラットフォームの利用規約に違反した場合は、写真の非公開処理だけでなくアカウントの停止やペナルティを受ける可能性もあります。
さらに、前述の富士フイルム動画炎上事件のように、肖像権に無配慮な撮影はSNS上で大きな批判を浴びる可能性があります。写真家やクリエイターとしての信用を失うことは、金銭的な損害以上に大きなダメージとなりえます。
街中撮影を安全に行うためのチェックポイント
ストックフォト用の街中写真を撮影する際は、撮影前・撮影中・撮影後の各段階でのチェックが重要です。
撮影前には、撮影場所が公共の場所か私有地かの確認、撮影禁止エリアでないかの確認、通行人が少ない時間帯の選定、モデルリリースのテンプレートの準備、プロパティリリースが必要な被写体の有無を確認しておきましょう。
撮影中は、通行人の顔が大きくはっきり写る構図になっていないか、特定の個人を意図的に撮影していないか、撮影を嫌がる素振りの人がいないか、企業ロゴや看板が目立つ形で写り込んでいないか、後ろ姿やシルエットなど個人を特定しにくい撮り方ができないかを常に意識することが大切です。
撮影後には、写り込んだ通行人の個人が特定できる状態ではないか、ぼかしやモザイク処理が必要な箇所はないか、ロゴや看板の消去・ぼかしは完了しているか、モデルリリースとプロパティリリースは適切に取得できているか、そしてストックフォトプラットフォームの審査基準を満たしているかを確認しましょう。
売れる街中ストックフォトの撮影テクニック
肖像権の問題をクリアした上で、売れるストックフォトを撮影するにはいくつかのポイントがあります。 その街や地域を象徴するような建物や通りの雰囲気を捉えた写真は需要が高いです。同じ場所であっても、朝・昼・晩の異なる時間帯や晴天・雨天・曇りの異なる天候で撮影すると、街の異なる表情を切り取ることができ、バリエーションが豊富になります。
広角で街全体の雰囲気を捉えた写真と、特定のディテールにフォーカスした写真の両方を用意すると購入者の選択肢が広がります。完全に人がいない写真よりも、人の動きや気配を感じさせる写真の方がリアリティがあり需要が高い場合があるため、スローシャッターで人物をブレさせたりシルエットで人影を取り入れたりする技法が有効です。
日本国内のプラットフォームでは海外の写真が、海外のプラットフォームでは日本の写真がそれぞれ希少性を持ちます。自分が出品するプラットフォームに合わせて差別化を意識すると良いでしょう。ストックフォトで安定した収入を得るためにはある程度の枚数を登録する必要があり、副業として成り立たせるには1つのプラットフォームあたり最低500枚から1000枚程度の登録が目安とされています。コツコツと撮影を続け、肖像権や各種権利の問題をクリアした写真を蓄積していくことが、長期的な成功への道筋となります。
AI生成画像の台頭とストックフォト市場の変化
近年、AI画像生成技術の急速な発展により、ストックフォト業界は大きな転換期を迎えています。 テキストによる指示(プロンプト)だけで、プロのクリエイターが撮影した写真と見分けがつかないほどの高品質な画像を生成できるようになりました。
Adobe StockはAI生成コンテンツを受け入れる方針を示し、投稿時にAIで生成されたことを明記するよう義務付けています。Shutterstockは自社のライセンス済みデータを学習させた独自のAI画像生成ツールを開発しています。AI生成画像には肖像権の問題が発生しにくいという利点がありますが、生成画像が実在の人物に酷似している場合は肖像権やパブリシティ権の侵害となる可能性も指摘されています。AIが学習に使用した写真の著作権問題も未解決のまま残されており、大手ストックフォト企業のGetty ImagesはStability AIに対して自社の著作物が無断でAI学習に使用されたとして訴訟を起こしています。
EUでは2024年にAI規則(AI Act)が成立し、2025年8月から生成AIに関する規定が施行されました。AI生成コンテンツであることの明示義務や学習データに関する情報開示が求められるようになっています。こうした変化の中で、実際に街中で撮影した「リアルな写真」の価値はむしろ高まっているとも言えます。AI生成画像にはない、その場所の空気感や偶然性を含むリアルな街中写真は、今後もストックフォト市場で独自の需要を維持するでしょう。ただし、リアルな写真だからこそ肖像権への配慮はより一層重要になります。
公道での撮影に関するルールと注意点
街中でストックフォト用の写真を撮影する際には、肖像権以外にも撮影場所に関するルールを把握しておく必要があります。 公園、河川、道路などの公共の場所では、管理している行政機関が撮影許可の窓口となります。管理が国か地方自治体かによって申請方法が異なるため、事前の確認が必要です。
一般的に、三脚やレフ板などの機材を使用せず手持ちのカメラで撮影する程度であれば、公道での撮影に特別な許可は不要とされています。しかし、大規模な撮影機材を設置したり通行を妨げるような撮影を行う場合は、警察への道路使用許可の申請が必要です。
営利目的での撮影を禁止している施設や場所もあります。新宿御苑は個人・法人を問わず営利目的の撮影が禁止されている一方、国営昭和記念公園のように事前申請により営利撮影が可能な施設もあります。私有地や商業施設では施設管理者の許可なく撮影することはできません。施設管理権により撮影の禁止や制限が設けられている場合が多く、ショッピングモールや駅構内なども同様です。撮影前に管理者への確認が不可欠です。各自治体が運営するフィルムコミッションやロケーションサービスを活用すると、撮影可能な場所の情報や必要な手続きを効率よく把握できます。
まとめ
ストックフォトとして街中の写真を撮影・販売する場合、肖像権の問題は避けて通れない重要な課題です。しかし、正しい知識を持ち適切な対処法を実践すれば、リスクを最小限に抑えながら魅力的な街中写真を撮影・販売することは十分に可能です。
肖像権は日本の法律で明文化されていないものの、判例により認められた権利であり、6つの判断要素を総合考慮して侵害の有無が判断されます。ストックフォトは商業目的の写真であるため、通常の撮影よりも厳格な対応が求められます。通行人が個人として特定できないよう、撮影技法と編集技術を組み合わせて対処することが効果的です。モデルリリースとプロパティリリースの仕組みを理解し、必要に応じて適切に取得することが大切です。万が一のトラブルに備え、肖像権侵害のリスクと損害賠償の可能性を認識しておくことも重要です。
街中での撮影は、カメラを持つ人にとって大きな楽しみであり、創造性を発揮できるフィールドです。肖像権への理解と配慮を持ちながら、ストックフォトクリエイターとしての活動を楽しんでいただければ幸いです。

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