ストックフォトの審査通過率は、サイトによって大きく異なります。写真ACが90%以上と最も高く、PIXTAが70%から80%、ShutterstockとiStockが50%から70%、Adobe Stockが約46%、amanaimages PLUSが30%から50%、Getty Imagesが最も厳しいという結果になっています。これからストックフォトで写真販売を始めたい方にとって、各サイトの審査基準や通過率を事前に把握しておくことは、効率的な活動を行うために非常に重要です。
本記事では、主要なストックフォトサイトの審査通過率をサイト別に徹底比較し、審査基準の違いや報酬体系、審査に通りやすくなるためのコツまで詳しく解説します。初心者から経験者まで、自分に合ったサイト選びと戦略立案に役立つ内容をまとめています。

ストックフォトの審査の仕組みとは
ストックフォトとは、あらかじめ撮影・制作された写真やイラスト、動画などの素材を、ライセンス契約に基づいて販売・購入するサービスのことです。企業のWebサイトや広告、パンフレット、ブログ記事など、さまざまな用途で使用されています。
写真を提供する側(コントリビューター)は、自分が撮影した写真をストックフォトサイトにアップロードし、サイトごとに設けられた審査を通過することで販売が開始されます。購入者がその写真をダウンロードするたびに、コントリビューターには報酬が支払われる仕組みです。
ストックフォトの魅力は、一度撮影した写真が継続的に収益を生み出す「ストック型ビジネス」である点にあります。しかし、各サイトの審査基準には大きな違いがあり、あるサイトでは合格した写真が別のサイトでは不合格になるということも珍しくありません。そのため、サイトごとの審査特性を理解しておくことが、ストックフォト活動を成功させるための第一歩となります。
ストックフォト審査通過率のサイト別比較一覧
ストックフォトサイトの審査通過率は、サイトの方針やターゲット層によって大きく異なります。主要サイトの審査の厳しさ、スピード、推定通過率を比較表にまとめます。
| サイト名 | 審査の厳しさ | 審査スピード | 推定通過率 |
|---|---|---|---|
| 写真AC | ほぼ通過 | 普通 | 90%以上 |
| PIXTA | 比較的緩い | 遅い(2〜3週間) | 70%〜80% |
| Shutterstock | 厳しめ(知的財産権) | 速い(数分〜即日) | 50%〜70% |
| iStock | 標準的(知的財産権は厳格) | 普通 | 50%〜70% |
| Adobe Stock | やや厳しい | 速い(数時間〜3日) | 約46% |
| amanaimages PLUS | 非常に厳しい | 不明 | 30%〜50% |
| Getty Images | 最も厳しい | 不明 | 非公開(低い) |
技術面での審査の通りやすさは、おおむね写真AC、PIXTA、Shutterstock、Adobe Stock、amanaimages PLUSの順とされています。一方、知的財産権の審査の緩さは、PIXTA、Adobe Stock、Shutterstockの順です。これらの通過率はあくまで目安であり、投稿する写真の質やジャンル、タイミングによって大きく変動します。同じクリエイターでも、撮影スキルの向上とともに通過率は上がっていく傾向があります。
PIXTAの審査基準と通過率の特徴
PIXTAは日本最大級のストックフォトサイトで、写真、イラスト、動画素材を取り扱っています。日本市場に特化しており、国内の利用者が非常に多いのが特徴です。クリエイター登録には身分証明書の提出と本人確認が必要で、入門講座の受講後にテストに合格する必要がありますが、不合格でも再挑戦が可能です。
PIXTAの審査は技術面では比較的緩やかとされており、推定通過率は70%から80%です。明らかにピントが外れているようなものでない限り、多くの写真が審査を通過します。日本市場に合わせた著作権や品質管理はしっかり行われていますが、知的財産権の審査は他のサイトに比べて比較的緩やかな傾向があります。
審査期間は2週間から3週間ほどかかることがあり、他のサイトと比べると長めです。また、月間のアップロード枚数に制限が設けられており、登録初期は少ない枚数しか申請できません。1年ほど継続すると、制限枚数が100枚から300枚、さらに500枚へと数か月おきに増加していきます。
リジェクト(不合格)になった場合はその理由が明確に示されるため、改善に活かしやすいのがメリットです。無料セミナーも定期的に開催されており、スキル向上に取り組みやすい環境が整っています。タグ付けは日本語で行うことができ、AIの予測機能により入力しやすい点も日本人クリエイターにとっての大きな利点です。
Adobe Stockの審査基準と通過率の特徴
Adobe Stockは、Adobeが運営するストックフォトサービスで、Creative Cloudとの連携が大きな強みとなっています。世界中のデザイナーやクリエイターが利用しており、高品質な素材が求められるサイトです。報酬率は売上の33%と比較的高い水準にあります。
Adobe Stockの審査は他のストックフォトサービスに比べて厳しい方に分類されます。2024年から2025年にかけて審査基準の厳格化がさらに進み、最低解像度要件が4MPから15MPに引き上げられるなど、技術的要件がより厳しくなりました。ある投稿者の実績データでは、投稿39枚中18枚が公開され、審査通過率は約46%という報告があります。つまり、約半数は不合格になるということです。
一方で、審査期間は非常に短く、1日から3日程度で結果が出ます。早い場合はアップロードして数時間後に承認されることもあり、この審査スピードの速さは大きなメリットです。審査に落ちた場合も不合格の理由を具体的に教えてくれるため、何が問題だったのかを把握しやすくなっています。
Adobe Stockでは手を加えすぎた写真はあまり好まれない傾向があります。自然体で、誰にでも受け入れられるような写真が高く評価されます。知的財産権の審査も厳格で、建物の名前を含めないことや、特定の建物を大きく撮影しないといった配慮が必要です。AI画像の審査にもAIが導入されており、審査の精度とスピードが向上している一方で、AI画像の却下率は45%程度に上るとの報告もあります。
Shutterstockの審査基準と通過率の特徴
Shutterstockは世界最大級のストックフォトプラットフォームで、150か国以上で利用されています。海外での需要が特に高く、日本らしい風景や文化を撮影した写真は海外ユーザーに人気があります。報酬率は15%から最大40%までの段階制で、ダウンロード数が増えるほど報酬率が上がる仕組みです。
Shutterstockの審査スピードは非常に速く、数分から即日で結果が出ることが多いのが特徴です。推定通過率は50%から70%で、かつては却下率が非常に高かったものの、審査のアルゴリズムが変更されたのか以前より通りやすくなったという声もあります。
技術面での審査基準はAdobe Stockと同程度とされ、技術的品質と法的コンプライアンスの両方が重視されます。特に知的財産権の面では最も厳格なサイトの一つで、ロゴが少しでも写り込んでいると指摘され、大量の写真がリジェクトされたという事例も報告されています。
英語でのタグ付けが必須であるため日本人クリエイターにとってはやや手間がかかる面がありますが、翻訳ツールを活用すれば対応可能です。世界中で利用されているプラットフォームであるため、海外需要を取り込める大きなチャンスがあります。
写真ACの審査基準と通過率の特徴
写真ACは、無料でダウンロードできるストックフォトサイトとして日本国内で広く利用されています。企業での活用も進んでおり、利用者が非常に多いのが特徴です。
写真ACの審査は主要ストックフォトサイトの中で最も緩やかとされており、推定通過率は90%以上です。明らかに品質が低い写真でない限りほぼ審査を通過するため、初心者がストックフォトの世界に足を踏み入れる際の最初のステップとして最適なサイトです。
ただし、注意すべき重要な点があります。写真ACで販売する写真の著作権は写真ACに帰属することになるため、同じ写真を他のストックフォトサイトで販売することができません。複数サイトで同時販売を考えている方にとっては大きなデメリットとなります。
報酬は1ダウンロードあたり3.25円(人物写真は11円)と非常に低い水準です。しかし、無料でダウンロードできるサイトであるため利用者数が多く、ダウンロード数自体は他サイトより多くなる傾向があります。ある投稿者の2025年1月の実績では、報酬額は849円だったとの報告があります。毎日のようにダウンロードが発生するため、モチベーションを保ちやすいのもメリットです。
その他の主要ストックフォトサイトの審査基準と通過率
iStockはGetty Imagesが運営するストックフォトサービスで、高品質な素材を取り扱っています。審査は標準的な厳しさですが、知的財産権の審査は特に厳格です。iPadのイヤホンジャックや音量ボタンが写り込んでいるだけで指摘されNGとなったケースもあり、Apple製品などの著名なブランドの製品はごく一部が写り込んでいるだけでもリジェクトの対象となりえます。独占契約(エクスクルーシブ)を結ぶことでより高い報酬率を得ることができ、推定通過率は50%から70%です。
amanaimages PLUSは日本の老舗ストックフォトサービスであるアマナイメージズが運営しており、プロフェッショナル向けの高品質な素材を中心に取り扱っています。審査は非常に厳しいことで知られており、6回連続で不合格になったという事例も報告されています。不合格理由として「撮影テーマや演出内容が商用素材として適していません」と通知されることがあり、推定通過率は30%から50%です。高品質な写真だけでなく、商業的な価値や需要のあるテーマでの撮影が求められるため、初心者がいきなり挑戦するにはハードルが高いサイトです。
Snapmartはスマートフォンで撮影した写真でも投稿しやすい画像素材コミュニティで、Instagram映えする日常的な写真にも需要があります。コンテストによる賞金収入も得られるのが特徴的です。
123RFはクリエイター登録が無料で、非独占契約のため他サービスとの併用が可能です。報酬率は30%から60%と幅広く、継続的に売上がある場合は報酬率が向上する仕組みになっています。
Getty Imagesは世界最大級のストックフォトプラットフォームで、報道写真やエディトリアル素材にも強みを持っています。プロフェッショナル向けの厳格な審査基準が設けられており、審査通過の難易度は最も高いとされています。独占契約が求められる場合もあります。
ストックフォトサイト別の報酬体系を比較
ストックフォトサイトを選ぶ際には、審査の厳しさだけでなく報酬体系も重要な判断材料となります。各サイトの報酬について比較表でまとめます。
| サイト名 | 報酬の仕組み | 報酬の目安 |
|---|---|---|
| 写真AC | 1DLあたり固定額 | 3.25円(人物写真11円) |
| PIXTA | サイズ・ライセンス別 | 平均約126円、最高8,000円 |
| Adobe Stock | 売上の33% | 動画は3,360円〜6,682円 |
| Shutterstock | 段階制15%〜40% | 1枚40円〜1,200円 |
| 123RF | 段階制30%〜60% | 売上実績に応じて変動 |
| iStock | 独占契約で高報酬率 | 契約形態により変動 |
ある投稿者の15か月間の実績比較では、PIXTAが60,624円に対して、Adobe Stockが145,452円と、Adobe Stockの方が2倍以上の収益を上げていました。これはAdobe Stockの利用者数の多さと購入単価の高さに起因しています。
PIXTAでは、最大サイズ(XL)がエクストラライセンス(Ex)で購入された場合、1枚あたり最高8,000円の報酬を得ることが可能です。これはストックフォトサイトの中でも最高水準の単価です。動画素材の報酬単価も非常に高く、トップクラスとされています。ある投稿者の2025年1月の実績では、ダウンロード数11で報酬額1,383円、平均単価は約126円でした。
Adobe Stockでは動画素材の場合、1ダウンロードで3,360円から6,682円程度の報酬が得られることもあります。さらに、AdobeのAI画像生成ツール「Firefly」に関連したボーナス制度もあり、追加の収益機会が存在します。
Shutterstockの報酬率は15%から最大40%までの段階制で、累計のダウンロード数が増えるほど報酬率が上がります。相場は1枚あたり40円から1,200円程度と幅広く、世界中で利用されているプラットフォームであるため海外からのダウンロードが多いのが特徴です。ダウンロードされた地域は世界地図で確認でき、東南アジア、オーストラリア、ヨーロッパからのダウンロードが特に多い傾向があります。
ストックフォト審査に落ちる主な理由と対策
ストックフォトの審査で不合格になる理由はさまざまですが、主な原因とその対策を解説します。審査通過率を上げるためには、よくある不合格理由を事前に把握しておくことが重要です。
ノイズ・画質の問題は、審査不合格の代表的な原因の一つです。ノイズとは画像に含まれるざらつきや粒状の乱れのことで、高感度(高ISO)で撮影した写真や暗い環境で撮影した写真で目立ちやすくなります。対策としては、ISO感度を400以下に抑えて撮影し、暗い環境では三脚を使用してシャッタースピードを遅くすることでISO感度を低く保つ方法が有効です。PhotoshopやLightroomなどの編集ソフトを使えば、後からノイズをある程度軽減することも可能です。Adobe Stockは特にノイズに対して厳しい審査基準を持っています。
ピント・ブレの問題も審査落ちの大きな原因です。特に人物写真では、目や顔にしっかりとピントが合っていることが求められます。対策としては、オートフォーカス後に拡大表示でピントを確認する、被写界深度を調整してF値を8から11程度に設定する、シャッタースピードを1/250秒以上に設定するといった方法が効果的です。
知的財産権・商標の問題は、ストックフォト審査で最も多い不合格理由の一つです。企業のロゴや商標、著名な建築物など、知的財産として保護されているものが写り込んでいると審査に落ちます。特にiStockとShutterstockは知的財産権に関して非常に厳格で、iPadのイヤホンジャックや音量ボタンが写り込んでいるだけでもNGとなったケースや、ロゴがわずかに写り込んでいるだけで大量の写真がリジェクトされた事例があります。撮影時に商標やロゴが写り込まないよう注意し、写ってしまった場合はPhotoshopなどの画像編集ソフトで消去する対策が必要です。
モデルリリース(肖像権)の問題も見落としがちな原因です。人物が写っている写真を商用素材として販売する場合、その人物からモデルリリース(肖像権使用許諾書)を取得する必要があります。人物をぼかして詳細が確認できない場合でも、モデルリリースの取得が求められることがあるため注意が必要です。
類似コンテンツの重複にも気をつけなければなりません。同じ構図で連続撮影した写真を大量にアップロードすると、数枚だけ審査に通り残りは却下されることがあります。Adobe Stockでは類似コンテンツが多いとスパム的とみなされる可能性があるため、連続撮影した中から最も良い1枚を厳選して投稿することが重要です。同じ被写体でも構図や角度、ライティングを大きく変えた写真であれば、別の素材として受け入れられやすくなります。
商業的価値・ニーズの不足も却下の理由となります。写真自体の品質が高くても、広告やWebデザインなどでの使い道が想像できないと却下されることがあります。背景がごちゃついている写真や、主題が曖昧で何を表現したいのか分からない写真がこれに該当します。また、ストックフォトサイトにすでに同じような写真が大量に存在する場合は審査基準が厳しくなる傾向があり、ありふれたテーマの写真は特に差別化されていないと通りにくくなります。写真が使われるシーンを具体的にイメージしながら撮影し、被写体の周りにテキストを配置できるコピースペースを確保することが対策として有効です。
過度な画像加工もAdobe Stockでは特に注意が必要です。HDR処理が強すぎたり彩度が不自然に高かったりすると審査に落ちやすくなります。LightroomやPhotoshopでの色調補正は適度に留め、自然な仕上がりを心がけることが大切です。ホワイトバランス(色温度)を適正に設定し、ダウンロードした購入者が編集しやすい状態を保つことが重要です。
ストックフォト審査通過率を上げるための撮影テクニック
ストックフォトの審査通過率を上げるためには、いくつかの撮影テクニックを意識することが効果的です。
自然光の活用はストックフォト撮影の基本です。特に屋外での撮影では、柔らかい自然光により素材として使いやすい写真になります。朝や夕方のゴールデンアワーは特に美しい光が得られる時間帯です。室内撮影の場合は窓際の自然光を利用するか、適切なライティング機材を使用して自然な光を再現することが望ましく、蛍光灯の光のみで撮影すると色温度が不自然になりやすいため注意が必要です。
コピースペースの確保はストックフォト特有の重要なポイントです。コピースペースとは、文字を入れるためのスペースのことです。写真が広告やWebサイトで使用される際、被写体の周りにテキストを配置できるスペースがあると、圧倒的に使いやすい素材となります。構図を考える際に画面の3分の1から半分程度をシンプルな背景にすることで、自然なコピースペースを作ることができます。空や壁、テーブルの表面など、テクスチャの少ないエリアがコピースペースとして活用されます。
適切なカメラ設定も審査通過率に大きく影響します。一眼レフやミラーレスカメラで撮影した写真の方が、スマートフォンで撮影した写真よりも審査に通りやすい傾向があります。これは解像度やダイナミックレンジの差によるものです。ただし、Snapmartなど一部のサイトではスマートフォン撮影の写真も歓迎されています。ISO感度は400以下を目安にし、絞りはF8からF11程度で全体にピントが合った写真を撮影すると汎用性の高い素材になります。シャッタースピードは手ブレを防ぐために1/250秒以上を確保することが推奨されます。
ホワイトバランスの適正設定も重要な要素です。色温度が不自然な写真は審査に通りにくいため、ホワイトバランスを適正に設定して自然な色合いを保つことが大切です。RAWで撮影しておけば後からホワイトバランスを自由に調整できるため、RAW撮影が推奨されます。ダウンロードした購入者が後から編集しやすいよう、適正なホワイトバランスで保存しておくことがストックフォトでは特に重要です。
需要のあるテーマのリサーチも通過率向上に効果的です。闇雲に撮影するのではなく、各ストックフォトサイトでどのようなテーマの写真が売れているのかをリサーチしてから撮影に臨むことが有効です。季節のイベントや行事、ビジネスシーン、テクノロジー関連の写真は常に需要が高い傾向にあります。PIXTAでは日本のビジネスシーンや季節行事の写真が売れやすく、Shutterstockでは日本らしい風景や伝統文化の写真が海外ユーザーに人気があります。
適切なキーワード(タグ)付けは、審査とは直接関係しませんが販売成績に大きく影響します。写真の内容を正確に表すキーワードを、複数の視点から網羅的に付けることが重要です。PIXTAでは日本語でタグ付けができAIの予測機能が利用できる一方、Shutterstockでは英語でのタグ付けが必要ですが翻訳ツールを活用すれば対応可能です。
初心者におすすめのストックフォト審査ステップアップ戦略
ストックフォトを始める際には、段階的にサイトのレベルを上げていくステップアップ方式が多くの経験者から推奨されています。
最初のステップとして、審査が緩い写真ACやSnapmartから始めるのが効果的です。写真ACは審査が緩いため気軽に投稿して経験を積むことができ、Snapmartはスマートフォンで撮影した写真でも投稿しやすいため、ストックフォトの流れを体験するには最適です。この段階では、どのような写真が審査に通るのか、どのような写真がダウンロードされやすいのかという感覚を掴むことが重要です。写真ACでは毎日のようにダウンロードが発生するため、モチベーションを保ちやすいメリットもあります。ただし、写真ACでは著作権が写真ACに帰属するため、他のサイトで同じ写真を販売できない点に注意が必要です。写真ACに投稿する写真と他サイト用の写真は分けて管理することが推奨されます。
次のステップとして、PIXTAに挑戦します。PIXTAは日本市場向けに特化しており、国内ユーザーが多いため売れ筋が分かりやすいサイトです。審査基準も比較的緩やかで、リジェクト理由が明確に示されるためスキルアップに適しています。月間のアップロード枚数に制限があるため写真を厳選する必要がありますが、これは逆に写真を厳選する目を養う良いトレーニングになります。無料セミナーが定期的に開催されており、審査基準や売れる写真のコツについて学ぶこともできます。
その次のステップとして、Adobe StockとShutterstockに挑戦します。この2サイトは審査基準が厳しいものの、報酬単価が高く、特にAdobe Stockは収益性の面で最も評価が高いサイトです。Adobe Stockでは不合格理由が具体的に示されるためフィードバックを活用してスキルを磨くことができます。Shutterstockは海外需要に強いため、日本らしい風景や文化をテーマにした写真で差別化を図ることが有効です。この段階では、複数のサイトに同時投稿(非独占契約の場合)することで収益機会を最大化することが重要です。同じ写真でもサイトによって需要が異なるため、幅広く展開することが収益アップにつながります。
十分な経験とスキルを身につけたら、amanaimages PLUSやGetty Imagesなどのハイエンドなサイトへの挑戦も視野に入れることができます。これらのサイトは審査基準が非常に厳しいものの、承認された場合の報酬は高い水準となっています。
複数サイト同時運用でストックフォトの審査通過率と収益を最大化する方法
収益を最大化するためには、複数のストックフォトサイトに同時投稿することが効果的です。
非独占契約の活用が複数サイト運用の基本となります。PIXTA、Adobe Stock、Shutterstock、123RFなどは非独占契約に対応しているため、同じ写真を全てのサイトに投稿することが可能です。ただし、写真ACは著作権が写真ACに帰属するため他のサイトで販売できません。iStockやGetty Imagesでは独占契約を結ぶことでより高い報酬率が得られますが、その場合は他のサイトでの販売ができなくなります。
サイトごとの最適化も重要です。各サイトには異なる審査基準や需要があるため、同じ写真でもサイトごとに最適化することが望ましいです。PIXTAでは日本語のタグを充実させ、Shutterstockでは英語のタグを丁寧に付けるといった工夫が効果的です。サイトによって求められる解像度や画像フォーマットが異なる場合もあります。
効率的なワークフローの構築も複数サイト運用では欠かせません。写真の選別からRAW現像、リサイズ、メタデータの入力、各サイトへのアップロードという一連の流れをテンプレート化し、作業時間を最小限に抑える工夫が必要です。Adobe Stockの場合はAdobe Lightroomから直接投稿できる機能があるため、Adobe Creative Cloudユーザーにとっては効率的なワークフローを構築しやすくなっています。
各サイトの特性を活かすことも収益向上のポイントです。PIXTAでは日本のビジネスシーンや季節行事が強く、Shutterstockでは日本らしい風景が海外ユーザーに人気があり、Adobe Stockではクリエイティブ系の写真が売れやすい傾向があります。それぞれに合った写真を優先的に投稿することで効率的に収益を上げることができます。あるサイトでは承認された写真が別のサイトでは却下されることもよくあるため、一つのサイトで不合格になっても別のサイトに投稿してみる価値は十分にあります。
ストックフォト業界の最新動向と今後の展望
ストックフォト業界は2025年に大きな転換期を迎えました。業界の動向と今後の展望について解説します。
2025年1月、世界を代表するストックフォト企業であるGetty ImagesとShutterstockが約37億ドル規模の合併を発表しました。新会社名は「Getty Images」となり、合併後の年間売上高は約20億ドル近くになる見通しです。合併によりGetty Imagesの株主は新会社の約54.7%、Shutterstockの株主は約45.3%を所有し、現Getty ImagesのCEOであるクレイグ・ピーターズ氏が合併会社のCEOに就任しました。
この合併の背景には、生成AIの急速な普及があります。OpenAIのDALL-EやMidjourneyなどのAI画像生成ツールが、プロンプトひとつで高品質な画像を生成できるようになったことは、従来のストックフォトモデルにとって大きな脅威となっています。両社の合併により、3年以内に年間1億5,000万ドルから2億ドルのコストシナジーが見込まれています。合併後の新会社はストック・メディア分野で約75%の市場シェアを獲得することになりますが、米国の反トラスト法(独占禁止法)の精査を受ける可能性があります。
生成AI技術の普及により、ストックフォト業界は大きな変化を迎えています。AI画像生成が容易になった一方で、実写写真の価値はむしろ高まっているという見方もあります。「本物」「自然」「リアル」な表現への需要が拡大しているためです。
各ストックフォトサイトのAI画像への対応は分かれています。Adobe StockではAI生成画像の投稿が可能ですが審査にもAIが導入されており却下率は高くなっています。Shutterstockは生成AIツールを提供しているものの、外部で生成されたAI画像の販売は認めていません。写真ACではAI生成素材の除外フィルターがデフォルトで設定されるようになり、AI画像クリエイターの売上が大幅に減少したとの報告があります。
特に需要が高まっているテーマとしては、ダイバーシティやインクルージョンを反映した人物写真、リモートワークやデジタルノマドの風景、サステナビリティや環境問題に関連する素材、ウェルネスやメンタルヘルスをテーマにした写真などがあります。こうしたトレンドを意識した撮影を行うことで、審査通過率を上げるだけでなく販売成績の向上にもつなげることができます。実写の高品質な写真を撮影するスキルは、AI時代においてもなお価値を持ち続けると考えられ、AI画像が増加する中で本物の写真の希少価値が高まる可能性もあります。
まとめ
ストックフォトの審査通過率はサイトによって大きく異なり、写真ACの90%以上からamanaimages PLUSの30%から50%まで幅広い差があります。初心者は審査の緩い写真ACやPIXTAから始め、徐々にAdobe StockやShutterstockなどの厳しいサイトに挑戦していくステップアップ方式が効率的です。
報酬面ではAdobe Stockが最も収益性が高いとの報告が多く、15か月間でPIXTAの約2.4倍の収益を上げた事例もあります。審査が厳しい分、投稿にはそれなりの品質が求められますが、審査に落ちた場合は不合格理由を分析し次回の投稿に活かすことが重要です。
2025年にはGetty ImagesとShutterstockの合併や生成AIの普及など、業界に大きな変化が起きました。しかし、実写の高品質な写真への需要は依然として高く、適切な戦略と撮影技術を持つクリエイターにとっては十分なチャンスがあります。複数のサイトに同時投稿し、各サイトの特性を活かした戦略を取ることで、審査通過率と収益の両方を最大化することができます。ストックフォトは即座に大きな収入を得られるビジネスではありませんが、コツコツと写真を積み上げていくことで安定したストック収入を構築できる魅力的な副業です。

コメント