スマホだけでストックフォト撮影を始める方法|初心者向け設定と売れる写真のコツ

当ページのリンクには広告が含まれています。

スマホだけでストックフォトを始めたい初心者の方に向けて、撮影の設定から販売までの流れを解説します。結論から言えば、現在のスマートフォンは高画質なカメラを搭載しており、初期費用ゼロで今日からストックフォト副業を始めることが可能です。実際にiPhoneで撮影した写真がAdobe Stockの審査を通過し、販売されている例も数多く存在します。

この記事では、スマホカメラの最適な設定方法、売れる写真を撮るための構図や光の使い方、審査を通過するためのポイント、そして収益を得るまでの具体的なステップをすべて網羅しています。高価な一眼レフカメラやレンズを揃える必要はありません。すでにお持ちのスマートフォンがあれば、追加の機材を購入することなくすぐに始められます。スマホ一台で撮影から編集、アップロードまで完結できる手軽さを活かして、日常の中のシャッターチャンスを収益に変えていきましょう。

目次

ストックフォトとは何か、その仕組みと市場規模

ストックフォトとは、撮影した写真をストックフォトサービスに登録し、企業やデザイナーなどに購入してもらうビジネスモデルです。写真素材サイトに投稿された写真は、広告、ウェブサイト、パンフレット、SNS投稿など様々な用途で使用されます。

ストックフォトの市場は拡大を続けており、グローバルなストックフォト・ビデオ市場の規模は2024年に55.7億ドルで、2033年までに105.8億ドルに達すると予測されています。年平均成長率は7.38%と安定した成長が見込まれており、マーケティング、広告、ウェブデザイン、ソーシャルメディア、デジタルトランスフォーメーションなど、様々な業界でビジュアルコンテンツへのニーズが高まっていることが成長の背景にあります。

この成長市場に、スマホ一台で参入できるというのは大きなチャンスです。特にスマホ写真に特化したストックフォトサービスも登場しており、初心者でも参入しやすい環境が整っています。

スマホでストックフォトを始める5つのメリット

スマホでストックフォトを始めることには多くのメリットがあります。

初期費用がかからないことが最大のメリットです。すでにお持ちのスマートフォンがあれば、追加の機材を購入することなくすぐに始められます。高価な一眼レフカメラやレンズを揃える必要がないため、金銭的なリスクなしでチャレンジできます。

手軽さも見逃せないポイントです。スマホは常に持ち歩いているため、日常の中でシャッターチャンスを逃すことがありません。通勤中や散歩中、旅行先など、どこでも撮影できます。プロのカメラマンのように重い機材を持ち運ぶ必要がないため、気軽に撮影を続けられます。

スマホで完結できることも大きなメリットです。撮影から編集、アップロードまですべてスマホ一台で行えます。パソコンを持っていなくても、スマホアプリを使って本格的な写真編集が可能です。場所を選ばず作業できるため、スキマ時間を有効活用できます。

スマホ特化サービスの存在も初心者には心強いです。Snapmartのようにスマホ写真に特化したストックフォトサービスが登場しており、スマホで撮影した写真でも十分に戦える環境が整っています。

継続しやすいという点も重要です。手軽に始められるからこそ、継続しやすいのです。ストックフォトは継続が鍵となるビジネスモデルであり、一度投稿した写真は削除しない限り半永久的に販売され続けます。

初心者におすすめのストックフォトサービス3選

スマホ対応で初心者に向いているストックフォトサービスを紹介します。それぞれのサービスには特徴があり、複数のサービスに同時に登録することで収益の機会を増やすことができます。

Snapmart(スナップマート)の特徴と登録方法

Snapmartは、スマホ写真に特化した国内のストックフォトサービスです。PIXTAの100%子会社が運営しており、専用アプリをダウンロードするだけでスマホから直接写真を出品できます。審査がなく気軽に始められることが特徴で、コンテスト形式の案件も多く、初心者が注目を集めやすい環境が整っています。会員登録はメールアドレスだけで完了し、非常に敷居が低いサービスです。スマホだけで完結したい初心者には最もおすすめのサービスといえます。

PIXTA(ピクスタ)の特徴と登録方法

PIXTAは国内最大級のストックフォトサービスです。会員登録は無料で、公式サイトから簡単に登録できます。初回の登録申請上限は30枚からスタートし、実績に応じて増えていきます。他のサービスが4メガピクセル以上の画像しか受け付けないのに対し、PIXTAはSサイズ(640×480px程度)からアップロードできるため、スマホ写真にも対応しやすいです。審査はやや厳しめですが、販売価格が高く収益性が良いのが特徴です。

Adobe Stock(アドビストック)の特徴と登録方法

Adobe Stockはグローバル規模のストックフォトサービスです。世界中のユーザーに写真を販売できるチャンスがあります。Adobeのソフトを利用している場合は同じID・パスワードでログインできます。審査期間が1日から3日と早いのが特徴ですが、審査はやや厳しめです。また、アメリカからの支払いになるため、W-8BENという税務書類の申請が必要になります。スマホからでも投稿可能で、グローバルに展開したい方におすすめです。

スマホカメラの撮影設定を最適化する方法

ストックフォト向けの写真を撮影するために、スマホカメラの設定を最適化しましょう。適切な設定を行うことで、審査に通りやすい高品質な写真を撮影できるようになります。

グリッド線の表示設定

グリッド線とは、カメラのプレビュー画面に表示される補助線のことです。垂直・水平に各2本引かれ、画面を格子状(3×3)に分割します。グリッド線を活用することで、水平な写真を撮りやすくなり、構図を決めやすくなります。

iPhoneの場合は「設定」アプリから「カメラ」をタップし、「グリッド」をオンにします。Androidスマホの場合はカメラアプリを開き、設定アイコン(歯車マークやスパナマーク)から「グリッド」をオンにします。この設定は一度行えば継続的に適用されるため、最初に必ず設定しておきましょう。

HDR(ハイダイナミックレンジ)設定

HDRは、シャッターを押した際に明るさが異なる複数の写真を自動で撮影し、1枚に合成する機能です。明暗差が大きいシーンでも、人間の目で見た光景に近い自然な写真を撮影できます。空や山などの風景、逆光のシーンで特に効果を発揮します。

iPhoneの場合は設定から「カメラ」を開き「自動HDR」をオンにします。Androidの場合はカメラを起動し、画面上部の「HDR」をタップして有効にします。

ただし、HDR撮影は複数枚の写真を合成するため、被写体が動くとブレが出ることがあります。また、もともとカラフルで鮮やかな被写体では彩度とコントラストが自動調整され、発色が逆に抑えられることもあるため、状況に応じてオンオフを切り替えましょう。

解像度設定とズームの注意点

ストックフォトでは高解像度の写真が求められます。スマホカメラの解像度設定は「高」を選択しておきましょう。また、ズーム機能は極端に画質が落ちる恐れがあるため、できるだけ被写体に近づいて撮影することをおすすめします。デジタルズームは画像を引き伸ばしているだけなので、ノイズが増えて審査に落ちやすくなります。

三分割法をマスターして構図を決める

写真の構図を決める上で最も基本的なテクニックが「三分割法」です。写真を学び始めた時に最初に出会うルールであり、今後最もよく使うテクニックになります。

三分割法の基本原理

三分割法とは、2本の水平線と2本の垂直線でフレームを3×3の9つのセクションに分け、興味対象となる要素をこれらの線に沿って、あるいは線が交差する点に配置する構図法です。

三分割法には科学的根拠があり、人間の目は画像の中心よりも少し離れた物体に引き付けられる傾向があります。交点にメインの被写体を配置することで、バランスの取れた写真になります。先ほど設定したグリッド線を活用することで、この構図を簡単に実践できます。

風景写真での三分割法の活用

風景写真では、地平線や水平線を水平のグリッド線に合わせると効果的です。下側の線に合わせることで空の広さを最大限に伝えることができます。水平線を画面の中央に持ってくるのは避けた方が良いでしょう。空を強調したい場合は下側の線に、地面や海を強調したい場合は上側の線に水平線を合わせます。

人物写真での三分割法の活用

人物写真では、被写体の視線が向いている方を広めにあけるとバランス良く仕上がります。視線の先を広くすることで、見る人の想像力を働かせる効果があります。被写体の目を上側の交点に配置すると、自然で印象的なポートレートになります。

三分割法の注意点と応用

三分割構図は厳密に三分割する必要はありません。あくまで目安であり、多少交点からズレても問題ありません。また、三分割法ばかりを適用すると写真が単調になりがちなので、他の構図も活用したり、時には意図的にこれらの構図テクニックを無視することも重要です。

二分割構図は画面を上下あるいは左右に半分ずつ分ける構図です。安定感があり、空と海、空と山、空と街並など雄大な風景撮影に向いています。

日の丸構図は撮影したいものを画面の真ん中に配置する構図で、商品の物撮りによく使われる定番の構図です。インパクトがあり、何を伝えたいかがわかりやすい写真に仕上がります。

光を味方につけるスマホ撮影テクニック

写真撮影において光は最も重要な要素です。スマホ撮影でも光を上手に使うことで、写真の質が格段に向上します。

自然光を最大限に活用する方法

自然光とは太陽の光のことです。照明(電気)に比べて柔らかい光で撮影できるため、様々な被写体の撮影に適しています。自然光なら撮影用の照明機材を準備する手間やコストがかからず、自宅でもステキな写真が撮影できます。

おすすめは日中に窓の近くで撮影することです。この時、室内の照明は消してカーテンの開き具合で光を調整しましょう。蛍光灯などの光は被写体を粗く見せてしまうことがあるため、意識的に使用する場合以外は避けた方が無難です。

光の向きによる効果の違い

光源を背にして真正面から光が当たる撮り方が「順光」です。自然な色合いで細部までクリアに撮影でき、スマホでも鮮やかな写真が撮れます。

実は人物写真には「逆光」の方が向いています。順光だと光が直接顔に当たり、髪の毛などで影ができて表情を隠してしまいがちですが、逆光なら柔らかい光に包まれた印象的な写真になります。

撮影に慣れるまでは「斜光」がおすすめです。明るくて立体感のある写真が撮りやすいです。料理や器などは「サイド光」「半逆光」「逆光」が良く、落ち着いた雰囲気や臨場感のある写真が撮れます。

光を和らげるテクニック

日差しが強く顔に影がかかってしまう時は、光の量を抑える工夫が必要です。身近なものでは半透明のビニール傘がディフューザー(光を拡散させる道具)の働きをしてくれます。

室内では窓際で撮影する時にレースのカーテンをディフューザー代わりにすると、影が生まれにくい柔らかい写真になります。カーテンから漏れ出る優しい光を被写体に当てることで陰影が生まれ、立体感が出ます。

「硬い光」と「柔らかい光」の使い分け

光には「硬い」「柔らかい」という表現があります。硬い光は陰影・コントラストがはっきりとついて色も鮮やかになり、スタイリッシュでかっこいいイメージを作りたい時に使います。柔らかい光はコントラストが低く自然光に近い雰囲気で、ふわっとした印象の写真になります。

太陽の光を直接当てると影が硬くなりがちなので、商品撮影やブツ撮りには工夫が必要です。

ストックフォトで売れる写真の傾向と特徴

ストックフォト市場で成功するためには、ただ美しい写真を撮るだけではなく、市場のニーズに応じた写真を提供することが重要です。

人物写真の需要と注意点

ストックフォトで売れる写真の多くは「人物」が写っているものです。ビジネスシーン(会議、パソコン作業など)やライフスタイル(食事、笑顔の家族など)を表現した写真は需要が高いです。特に10代から30代の女性の写真は人気があります。

ただし、人物写真は被写体本人の許可(モデルリリース)が必要になるため、初心者にはハードルが高い面もあります。まずは人物以外の写真から始めることをおすすめします。

ビジネス系写真の安定した需要

PIXTAの年間コンテンツランキングを見ると、ビジネス系の写真に需要があることがわかります。パソコン作業、会議風景、オフィス内での様子など、ビジネスシーンを表現した写真は安定した需要があります。手元だけを撮影すれば、モデルリリースなしでも投稿できる場合があります。

風景写真で売れるポイント

風景写真を販売している場合、有名な街のランドマーク的な場所の写真が売れる傾向があります。また、売れる写真は縦ではなく横向きの写真が多いというのは複数のサイトで共通しています。横向きの写真はウェブサイトやパンフレットに使いやすいためです。

季節・イベント写真の需要

桜、夏祭り、ハロウィン、クリスマスなど、その時期に需要が高まるテーマを狙うのも大きなポイントです。季節感のある写真は時期に合わせて検索されることが多いため、先回りして撮影しておくと良いでしょう。需要が高まる2〜3ヶ月前には投稿しておくことをおすすめします。

売れる写真に共通するポイント

パッと見ただけで「誰が何をしているか」がはっきりと伝わる写真が選ばれやすいです。解像度が高くシャープでクリアな画像を提供することが基本で、撮影後の編集作業(露出やホワイトバランスの調整、ノイズ除去)も重要です。

最新のテクノロジーやライフスタイルに関連するトレンドを写真に反映させると、購入される可能性が高まります。また、文字やロゴを入れるスペースがある写真も広告やウェブサイトで使いやすいため人気があります。

審査を通過するためのポイントとNG例

ストックフォトサービスに写真を投稿する際には審査があります。審査を通過するためのポイントとNG例を解説します。

商標・ロゴの写り込みに注意

商標とはある商品をそれと認識できる文字、図形、記号、立体的形状のことです。例えばカメラメーカーのロゴ、スマートフォンの特徴的なデザイン(iPhoneのホームボタンなど)、有名ブランドのロゴなどが該当します。

AppleやNikeなどのロゴが入った画像はNGですが、ぼかし加工をすればOKになることもあります。店名らしき文字列が壁に書かれているだけでも却下されることがあるため、注意が必要です。商標やロゴがなるべく写らないように撮影し、どうしても写ってしまう場合は画像編集ソフトで消してからアップロードしましょう。

肖像権とモデルリリース

人物が写っている写真は被写体本人の許可(モデルリリース)が必要です。素材の中に個人が特定できるような人物が写っている場合は、肖像権使用同意書の提出が求められます。家族や友人に協力してもらう場合も、必ず書面で許可を取りましょう。

プロパティリリース(所有権許可)

有名な建築物(東京タワー、エッフェル塔の夜景など)は商用利用NGの場合があります。建物や敷地、ペットやアート作品等の素材で、所有者や権利保有者の許可なく販売するとトラブルになる可能性があります。

ノイズ・画質の問題

ストックフォトではISO感度400以下が推奨されています。ISO感度を高くするとノイズ(ざらつき)が出やすくなります。特にAdobe Stockはノイズに厳しく、ノイズフィルターを強くかけるとフォーカスが合っていないと判断されることもあります。明るい場所で撮影し、ノイズを抑えることが重要です。

ホワイトバランス・色温度

ストックフォトはオリジナリティーを出しすぎると使いにくい写真になってしまいます。色温度が不自然な写真は審査に通りにくくなります。自然な色味を心がけましょう。

類似画像の投稿

同じような写真を大量に投稿することもNG理由になります。写っているものが違っていても、類似作品と判断されることがあります。バリエーションを持たせて投稿しましょう。

審査通過のコツ

「ロゴや人物が写っていない写真」から始めるのが安全です。風景写真や食べ物の写真なら著作権の問題を気にせず投稿しやすいです。アップロードする前にロゴやノイズなどの確認をするだけで、審査通過率は大幅に上がります。

審査は作品としての「出来栄え評価」ではなく、ストックフォト素材としての「適切さ」の確認です。素晴らしい写真でも、素材として「適切でない」と判断されれば通らないことがあります。

各サービスの審査傾向

Shutterstock(シャッターストック)の審査が一番厳しく、他のサービスはそれほど厳しくありません。iStockはモデルリリース、プロパティリリースを厳しく求められます。Adobe Stockは審査期間が1日から3日と早く、PIXTAは審査に時間がかかる傾向があります。

スマホで使える無料の写真編集アプリ

撮影した写真はそのまま投稿するのではなく、編集することで品質が向上します。スマホで使える無料の写真編集アプリを紹介します。

Snapseed(スナップシード)の機能と使い方

SnapseedはGoogle製の写真編集アプリで、Android・iPhone両方に対応しています。11種類の「効果」と28種類の「ツール」を搭載しており、画像の濃淡やコントラストの調整といった基本的な編集から、人物の表情に変化を加えるような本格的な写真加工も可能です。すべての機能が無料で使えるのが大きな魅力です。

主な機能として、明るさ・コントラスト・彩度・アンビアンス・ハイライト・シャドウ・色温度の調整ができます。11種類のフィルタから好みのものをワンタップで選ぶだけで、簡単に写真の雰囲気を変えられます。自分オリジナルの写真フィルターを作って他の写真にも適用できる機能や、「顔修正」で肌を美しく編集する機能もあります。

Lightroom(ライトルーム)の機能と使い方

AdobeのLightroomモバイル版は、基本的な編集機能は無料で使用できます。RAW編集にも対応しており、アカウントを作成すればクラウド保存も可能でパソコンとの連携にも優れています。

色温度や色かぶり補正、個別カラー調整(HSL)などを活用すれば、フィルター不要で自分好みの色味が作れます。無料版でも「選択」マスクや「線形グラデーション」を使えば、空だけ明るく、背景だけ暗くといった処理が簡単に行えます。設定は「プリセット」として登録すると他の写真にも適用できて便利です。

SnapseedとLightroomの比較と選び方

Snapseedは全ての機能が無料で使え、初心者にも扱いやすいのが特徴です。Lightroomは基本機能は無料ですが、部分調整機能やRAW編集は有料になります。Lightroomの方が細かい調整ができるため、より思った通りの仕上がりにできます。

Lightroomの前にSnapseedを使ってみることをおすすめします。機能的に似ているため練習になり、無料で使用できるのも嬉しいポイントです。

タグ付け・キーワード設定で売上を伸ばすコツ

ストックフォトにおけるタグ(キーワード)は、写真が検索されて購入につながるための重要な要素です。

タグ付けの基本原則

ストックフォトにおけるタグとは検索用のキーワードのことです。購入者はタグを頼りに欲しい写真を探します。タグはストッククリエイターと購入者をつなぐ架け橋であり、売上に直結します。

タグの量は、どのストックフォトサービスでも最低10語、できれば20から30語は付けたいところです。

タグ付けの注意点

タグ付けの原則として「単語で付ける」ことが大切です。「二人で水遊びする子供」のような文章ではなく、「子供」「二人」「水遊び」のように単語で入力します。

入力は半角英数、全角ひらがな・カタカナ、全角漢字を使い、全角英数字や半角カタカナは使用しないようにしましょう。

幅広くタグ付けするための視点

モチーフをそのままタグにするのが基本です。年中行事や季節を表す写真は需要が高いので、季節感のあるタグは必須です。色のタグ(青、白、緑、黄色、ピンク、金色、オレンジ、赤、グレー、黒、紫、茶色など)も有効です。

メインの被写体だけでなく、別の名称や大きな分類も意識してつけましょう。例えば「親子」なら「人物」「日本人」「家族」「男性」「女性」「子供」「母親」「父親」「兄弟」なども追加します。「自動車」なら「乗り物」「車」「乗用車」「ミニバン」「ワゴン」なども付けます。

風景は時間帯によって表情が変わるので「朝」「昼」「夕方」「夜」を入れましょう。天気の影響も受けるため「晴れ」「曇り」「雨」なども意識します。

表記方法の注意点

「紫陽花」「アジサイ」「あじさい」のような表記の違いや、「母親」「お母さん」「ママ」のような同義語については、検索システムが対応していない場合もあるため、複数のバリエーションをタグ付けすることをおすすめします。

効率化のテクニック

PIXTAは写真の被写体やシチュエーションをAIが解析し、関連性の高いタグを自動表示してくれます。最初に自分で思いつくタグを3から5個ほど入力し、その後PIXTAが提案するタグを追加する方法が効率的です。

収益の現実と継続するためのコツ

ストックフォトでどのくらい稼げるのか、現実的な収益と継続のコツを解説します。

収益の目安と現実

最初のうちは月数百円から数千円が現実的です。多くの人は数百枚の写真を登録して月数千円から1万円程度を稼いでいます。中には月30万円を達成した例もありますが、それには写真だけでなくイラストや動画にも力を入れている場合が多いです。

1枚の写真が35ドル(約5,250円)で売れた例もあり、高単価での販売も可能です。ただし、そのような高額販売は稀で、基本的には薄利多売のビジネスモデルです。

継続が最も重要な理由

ストックフォトは戦略なしでもお小遣い程度は稼げる副業ですが、販売枚数をどこまで増やせるかが鍵となります。継続して写真を投稿し続けることが最も重要です。

一度投稿した写真は、あなたが削除しない限り半永久的に販売され続けます。過去に投稿した写真が何度も購入されることもあるため、コツコツと枚数を増やしていくことで収益は徐々に積み上がっていきます。

モチベーション維持のコツ

最初から大きな収益を期待しすぎないことが大切です。まずは楽しみながら撮影し、少しずつ売れるようになっていく過程を楽しみましょう。

また、複数のストックフォトサービスに同時に投稿することで、収益の機会を増やすことができます。同じ写真を複数のサービスに投稿することは基本的に問題ありません(一部サービスでは独占契約もありますが、選択制です)。

法的注意点と著作権の基礎知識

ストックフォトで写真を販売する際には、法的な問題に注意が必要です。

肖像権とモデルリリース

人物が写っている写真を販売する場合、その人物の許可(モデルリリース)が必要です。たとえ背景に通行人がぼんやり写っているだけでも、本人が特定できそうな場合はNGになることがあります。家族や友人に協力してもらう場合も、必ず書面で許可を取りましょう。

著作権と他人の著作物

他人の著作物が写り込んでいる写真には注意が必要です。アート作品、キャラクター、ロゴ、商標などが写っている場合は、権利者の許可なく商用利用することはできません。

撮影禁止場所

撮影が禁止されている場所で撮った写真は投稿できません。美術館、博物館、私有地など、撮影ルールを確認してから撮影しましょう。

建物の権利

有名な建築物には著作権や商標権が存在する場合があります。東京タワーやエッフェル塔の夜景(ライトアップ)などは商用利用が制限されていることがあります。建物を撮影する際は、その建物の商用利用が可能かどうか確認しましょう。

撮影シチュエーション別の実践アドバイス

具体的な撮影シチュエーションごとのアドバイスを紹介します。

料理・食べ物の撮影テクニック

料理は自然光を生かすとおいしそうに撮影できます。窓からの光を利用し、料理の立体感やツヤ感を出すために「サイド光」から「半逆光」の位置で撮影するのがおすすめです。お皿やカトラリーの配置にも気を配り、全体的なバランスを整えましょう。

ロゴや商標が入った食器や調味料は避け、シンプルな食器を使うと審査に通りやすくなります。

風景の撮影テクニック

風景写真は三分割法を意識し、水平線をグリッドの上下どちらかの線に合わせましょう。朝夕のゴールデンアワー(日の出・日の入り前後の時間帯)は、柔らかく美しい光で撮影できます。

有名なランドマークは人気がありますが、プロパティリリースが必要な場合もあるため確認しましょう。人が少ない時間帯を狙うと、通行人の写り込みを避けられます。

物撮り・商品撮影テクニック

商品撮影は白い背景で撮影すると汎用性が高くなります。窓際で自然光を使い、レースのカーテンで光を柔らかくすると良いでしょう。影が気になる場合は、反対側に白い紙やレフ板を置いて光を反射させます。

商品のロゴや商標は写らないように注意し、必要に応じて画像編集で消去しましょう。

日常風景の撮影テクニック

何気ない日常のワンシーンもストックフォトとして需要があります。手元の作業、朝のコーヒー、読書、散歩など、ライフスタイルを感じさせる写真は人気です。

人物の顔が特定できないように、手元だけ、後ろ姿、シルエットなどで撮影すると、モデルリリースなしでも投稿しやすくなります。

よくある質問と回答

初心者からよく寄せられる質問と回答をまとめます。

スマホで撮った写真でも本当に売れますか?という質問に対しては、はい、売れます。最近のスマホは高画質なカメラを搭載しており、ストックフォトの審査も通過できます。実際にiPhoneで撮影した写真がAdobe Stockで販売されている例も多くあります。

どのくらいの枚数を投稿すれば収益が出ますか?という質問については、個人差がありますが、まずは100枚を目標にしましょう。枚数が増えるほど購入される可能性が高まります。継続して投稿することが大切です。

審査に落ちたらどうすればいいですか?という質問には、審査に落ちた理由を確認し、改善して再投稿しましょう。ノイズ、ブレ、商標の写り込みなど、原因を特定して対策を取ることで通過率は上がります。

同じ写真を複数のサービスに投稿してもいいですか?という質問に対しては、基本的に問題ありません。ただし、一部のサービスでは独占契約(エクスクルーシブ契約)を選択すると報酬率が上がる代わりに他サービスへの投稿ができなくなります。初心者のうちは独占契約を避け、複数サービスに投稿することをおすすめします。

どんな写真が売れやすいですか?という質問には、ビジネスシーン、ライフスタイル、季節のイベントに関する写真が売れやすい傾向にあります。また、使いやすいシンプルな構図で、文字やロゴを入れるスペースがある写真も人気です。

まとめ:スマホでストックフォトを始める手順

スマホだけでストックフォトを始めることは、今や十分に現実的な選択肢です。高価な機材を揃える必要はなく、すでにお持ちのスマートフォンで今日から始められます。

まずは、グリッド線とHDRの設定を最適化し、三分割法を意識した構図で撮影を始めましょう。自然光を活用し、ロゴや商標が写り込まないよう注意しながら撮影します。SnapseedやLightroomで写真を編集し、適切なタグを付けてストックフォトサービスに投稿します。

大切なのは、完璧を求めすぎずにまず始めてみることです。最初から売れる写真を撮れる人はいません。たくさん撮影し、たくさん投稿し、時には審査に落ちながらも学んでいくことで、徐々に売れる写真が撮れるようになります。

継続は力なり。コツコツと写真を投稿し続けることで、やがて安定した副収入につながることでしょう。スマホ一台で始められる手軽さを活かして、あなたの日常の中にあるシャッターチャンスを収益に変えていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次