ストックフォトで副業収入を得ている方が年間所得20万円を超えた場合、確定申告が必要です。確定申告とは、1年間の所得と税額を計算して税務署に申告する手続きであり、会社員であっても副業所得が一定額を超えれば義務となります。ここで重要なのは「収入」ではなく「所得」という点で、収入から経費を差し引いた金額が20万円を超えるかどうかで判断します。
ストックフォトとは、PIXTA、Adobe Stock、Shutterstock、iStockなどのサービスに写真やイラスト、動画を登録し、ダウンロードされるたびに報酬を得る仕組みです。一度登録した素材が継続的に収益を生み出す可能性があることから、副業として人気を集めています。しかし、収益が増えてくると避けて通れないのが税金の問題です。この記事では、ストックフォト副業における確定申告の基本から、具体的な手続き方法、経費の計上方法、さらには会社に副業を知られないための対策まで、詳しく解説していきます。

ストックフォト副業で確定申告が必要になる「20万円ルール」とは
確定申告が必要になる基準として、給与所得者がストックフォトで副業収入を得た場合、年間の「所得」が20万円を超えると所得税の確定申告が必要となります。この20万円ルールを正しく理解することが、適切な税務対応の第一歩です。
所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。計算式は「所得 = 収入(売上) − 経費」となります。例えば、年間のストックフォト収入が30万円あっても、カメラやパソコン、通信費などの経費が15万円かかっていれば、所得は15万円となり、確定申告は不要となります。逆に言えば、経費をきちんと計上することで、所得を20万円以下に抑えられる可能性もあるということです。
20万円以下でも住民税の申告は必要
多くの方が見落としがちなのが、住民税の申告についてです。所得税の確定申告には「20万円ルール」がありますが、住民税にはこのような特例措置がありません。つまり、副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要となります。
住民税は市区町村に納める税金であり、所得税の確定申告をしない場合は、税務署から市区町村へ情報が伝わらないため、自分で申告する必要があるのです。住民税の申告をしなかった場合、住民税額に加えて延滞税が科せられる可能性があります。住民税の延滞税率は、延滞している日数によって異なり、最大で年14.6%の税率がかかることもあります。
副業の所得に対する住民税は、おおよそ10%程度と考えることができます。具体的には、副業で5万円の利益があれば住民税は年間約5,000円、10万円の利益なら年間約1万円、20万円の利益であれば年間約2万円が目安となります。
ストックフォト副業の所得は雑所得と事業所得のどちらになるか
ストックフォトで得た収入は、一般的に「雑所得」または「事業所得」のいずれかに分類されます。どちらに該当するかによって、受けられる控除や申告方法が大きく異なります。
雑所得とは、給与所得、事業所得、不動産所得など、他の所得区分に当てはまらない所得のことです。副業として行っているストックフォト収入は、多くの場合この雑所得に該当します。一方、事業所得とは、個人事業主がその事業で得た所得のことで、事業として認められるには、一定の規模で反復・継続して商売を行う必要があります。ストックフォトで生計を立てているような場合や、継続的に帳簿を作成し、一定以上の収入がある場合は事業所得として認められる可能性があります。
2022年10月に国税庁の通達が改正され、雑所得と事業所得の判断基準が明確になりました。本業か副業かは問わず、記帳・帳簿書類の保存をしていれば事業所得として区分できます。逆に、記帳・帳簿書類保存をしておらず、かつ収入300万円以下の人は、一律に雑所得として区分されることになります。
事業所得で申告するメリットとしては、青色申告による最大65万円の控除が受けられること、赤字の場合に3年間の損失繰り越し控除が可能なこと、少額減価償却資産の特例が使えること、専従者給与や専従者控除が可能なことが挙げられます。一方、雑所得のデメリットとしては、青色申告が認められないこと、損益通算ができないこと、損失の繰り越しができないことがあります。
ストックフォト副業で経費として認められる費用
ストックフォトで副業を行う場合、撮影や制作に関連する費用を経費として計上することができます。経費を適切に計上することで、所得を減らし、税金を抑えることが可能です。
主な経費項目としては、カメラ本体やレンズの購入代金、撮影機材(三脚、レリーズ、ストロボなど)、パソコンやモニター、画像編集ソフト(Photoshop、Lightroomなど)、インターネット通信費、撮影のための交通費や旅費、モデルへの報酬、撮影用の小道具や衣装、参考書籍や講座受講料、レンタルスタジオ代、クラウドストレージ利用料などがあります。
カメラ・レンズの経費計上方法と減価償却
カメラやレンズは高額になることが多いため、金額に応じて処理方法が異なります。10万円未満の場合は、全額をその年の経費として一括計上できます。勘定科目は「消耗品費」となります。
10万円以上30万円未満の場合は、白色申告と青色申告で処理が異なります。白色申告の場合は減価償却が必要で、耐用年数5年で分割計上します。青色申告の場合は少額減価償却資産の特例により、全額を一括経費計上可能です。30万円以上の場合は、白色申告・青色申告ともに、固定資産に計上して減価償却を行います。カメラの法定耐用年数は5年と定められています。
具体例として、29万円のカメラを購入した場合を考えてみましょう。白色申告では29万円÷5年=年間58,000円を経費計上します。青色申告(少額減価償却資産の特例)では29万円全額をその年の経費として計上可能です。なお、青色申告の少額減価償却資産の特例は、年度内に合計300万円までという上限があります。
パソコンもカメラと同様に、金額によって処理方法が異なります。10万円未満の場合は消耗品費として全額を一括経費計上できます。10万円以上の場合、パソコンの法定耐用年数は4年(サーバー用途の場合は5年)です。白色申告の場合は減価償却が必要となります。30万円のパソコンを購入した場合(白色申告)は、30万円÷4年=年間75,000円を経費計上することになります。
家事按分の考え方と計算方法
プライベートと事業の両方で使用する機材やサービスについては、「家事按分」を行う必要があります。これは、事業利用とプライベート利用の割合に応じて経費を按分する処理です。
例えば、パソコンの利用時間の70%が事業用、30%がプライベート用の場合、購入金額の70%のみを経費として計上します。家事按分が必要な主な項目としては、パソコン、インターネット通信費、スマートフォン、電気代(自宅で作業する場合)、家賃(自宅の一部を作業スペースとして使用する場合)があります。
国税庁は、家事按分の根拠として利用実態を示す記録を求めています。日々の業務日誌やパソコンの使用記録など、利用実態を証明できる資料を残しておくことが重要です。
ストックフォト副業の確定申告手続きの具体的な方法
2025年(令和6年分)の確定申告期間は、2025年2月17日(月)から3月17日(月)までです。例年は2月16日から3月15日ですが、2025年は2月16日が日曜日、3月15日が土曜日にあたるため、この日程に変更されています。
確定申告に必要な書類一覧
基本的な書類としては、確定申告書、収支内訳書(白色申告の場合)または青色申告決算書(青色申告の場合)、マイナンバーカードまたは通知カード、本人確認書類、源泉徴収票(給与所得者の場合)が必要です。
ストックフォト関連の書類としては、各ストックフォトサービスの支払調書または売上明細、経費の領収書やレシート、通帳のコピー(入金記録)を準備します。各ストックフォトサービスの毎月の成果を取りまとめて、売上明細として残しておく必要があります。フォーマットに指定はなく、Excelなどで簡単に表にまとめておけば問題ありません。
PIXTAなどの国内サービスでは、ネット上で年間の販売と源泉徴収したものを集計した支払調書を閲覧できます。また、重要な点として、確定申告をする場合は換金していなくても売掛金として帳簿の作成が必要です(白色・青色申告ともに)。
e-Taxでのオンライン確定申告の方法
e-Tax(イータックス)とは、国税の電子申告・納税システムのことで、自宅やオフィスからオンラインで確定申告を完結できます。
e-Taxの利用方法には2種類あります。マイナンバーカード方式は、マイナンバーカードを読み込むことでe-Taxを利用でき、利用者識別番号の入力は不要です。必要なものは、マイナンバーカード、ICカードリーダーまたは対応スマートフォン、利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)、署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)です。
ID・パスワード方式は、マイナンバーカードがない場合でも、事前に税務署で本人確認を行い、ID・パスワードを取得することで利用できます。
e-Taxの手順としては、まず国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。次に画面の案内に従って必要事項を入力し、収入金額、経費、控除などを入力すると自動計算されます。最後に作成した申告書をそのままe-Taxで送信します。
2025年の新機能として、「スマホ用電子証明書」が確定申告でも利用可能になりました(2025年はAndroidのみ対応)。また、所得税の確定申告に関するすべての入力ページがスマホ対応となっています。
e-Taxのメリットとしては、税務署に出向く必要がないこと、メンテナンス時間を除き24時間対応していること、申告期限内であれば訂正申告も簡単なこと、還付金の処理が早いことが挙げられます。
住民税の申告方法
所得税の確定申告をしない場合(所得が20万円以下の場合)は、住民税の申告を別途行う必要があります。住民税の申告方法は、お住まいの市区町村の役所に申告書を提出します。多くの市区町村では窓口での手書き申告となりますが、一部の市区町村では電子申請も可能です。なお、所得税の確定申告を行った場合は、その情報が市区町村に送られるため、住民税の申告は不要です。
副業が会社にバレないための住民税対策
副業が会社にバレる最も一般的な原因は、住民税の増加です。通常、会社員の住民税は「特別徴収」として給与から天引きされますが、副業収入があると住民税が増え、経理担当者に気づかれる可能性があります。
これを防ぐためには、確定申告書の「住民税に関する事項」で、住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に変更します。確定申告書第二表の「住民税に関する事項」欄にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」にチェックを入れます。これにより、副業分の住民税は自分で直接納付することになり、会社に副業の存在が伝わりにくくなります。
副業の所得が20万円以下で確定申告を行わない場合は、役所で住民税の申告を行う際に、同様に普通徴収を選択します。
ただし、注意点もあります。すべての市区町村が普通徴収に対応しているわけではありません。また、会社の就業規則で副業が禁止されている場合は、規則違反となる可能性があります。マイナンバー制度により、将来的に副業収入の把握が容易になる可能性もあります。
ストックフォトサービス別の確定申告ポイント
PIXTA(ピクスタ)での確定申告
PIXTAは国内最大級のストックフォトサービスです。確定申告のポイントとしては、日本円での報酬支払いであること、マイページで年間の販売実績と源泉徴収額を確認できること、支払調書のダウンロードが可能なこと、源泉徴収されているため確定申告で精算することが挙げられます。
Adobe Stock(アドビストック)での確定申告
Adobe Stockの確定申告ポイントとしては、日本円またはドルでの報酬支払いであること、ダッシュボードで収益レポートを確認可能なこと、PayPalでの受け取りの場合は為替レートに注意が必要なこと、売上が高い傾向があり動画1ダウンロードで数千円になることもあることが特徴です。
Shutterstock(シャッターストック)での確定申告
Shutterstockの確定申告ポイントとしては、ドル建ての報酬であること、PayPalまたはPayoneerでの受け取りであること、為替レートの計算が必要なこと(月末または月中平均のTTMを使用)、海外サービスのため消費税は不課税として処理することがあります。
為替レートの処理方法
海外ストックフォトサービスからのドル建て収入は、円換算して申告する必要があります。一般的な処理方法としては、月末時点のTTM(電信売買相場の仲値)を使用するか、月中平均のTTMを使用します。一度決めた方法は継続して使用することが望ましいです。
消費税の取り扱いとインボイス制度
国内サービス(PIXTAなど)の場合、消費税の課税対象となります。ただし、年間売上が1,000万円以下の場合は、消費税の納税義務はありません。海外サービス(Shutterstock、Adobe Stockなど)の場合、海外に拠点があり、購入者も海外の方が大半であるため、「不課税」として扱われると考えられます。
インボイス制度については、インボイス登録をして適格請求書発行事業者となっている場合は、20万円ルールに関係なく、消費税の確定申告が必要となります。
青色申告と白色申告の違いと選び方
白色申告の特徴とメリット・デメリット
白色申告のメリットとしては、事前の届出が不要なこと、帳簿が簡易でよいこと、手続きが比較的簡単なことがあります。デメリットとしては、特別控除がないこと、10万円以上の資産は減価償却が必要なことが挙げられます。
青色申告の特徴とメリット・デメリット
青色申告のメリットとしては、最大65万円の青色申告特別控除があること、30万円未満の資産を一括経費計上可能(少額減価償却資産の特例)なこと、赤字を3年間繰り越せること、家族への給与を経費にできる(専従者給与)ことがあります。デメリットとしては、事前に開業届と青色申告承認申請書の提出が必要なこと、複式簿記での記帳が必要(65万円控除の場合)なこと、帳簿の7年間保存義務があることが挙げられます。
どちらを選ぶべきか
副業としてストックフォトを行っている場合、多くは白色申告で十分です。しかし、年間の所得が一定以上ある場合、高額な機材を購入する予定がある場合、将来的に事業として拡大したい場合、損失が出た年があり翌年以降に繰り越したい場合は青色申告を検討する価値があります。
帳簿のつけ方と記帳の基本
帳簿とはお金の流れや取引の実態を記録するためのもので、フリーランスや副業でも帳簿をつける理由の1つとして、確定申告書の作成に必要となるからです。また、2022年の通達改正により、帳簿書類の保存があれば事業所得として認められやすくなったため、将来的に青色申告を検討している方にとっても帳簿は重要です。
帳簿の種類と特徴
単式簿記は、家計簿のように、収入と支出を時系列で記録する簡易的な方法です。白色申告や青色申告の10万円控除の場合に使用できます。複式簿記は、取引を「借方」と「貸方」の両面から記録する方法です。青色申告の65万円控除を受けるには複式簿記での記帳が必要です。簿記の知識がない方や初めて確定申告を行う方は、いったん白色申告で記帳を行うのがおすすめです。
記帳すべき内容
売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額を帳簿に記載します。なお、記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。
発生主義での記帳の考え方
帳簿は売上や経費が発生したタイミングで損益に計上する「発生主義」という考え方で作成します。例えば、12月25日に購入した物品が同日届き、1月3日に費用を支払ったとします。この場合、帳簿をつけるべきは12月25日です。支払日ではなく、取引が発生した日で記録することがポイントです。
帳簿の保存期間とペナルティ
帳簿の保存期間は、白色申告の場合は帳簿が7年間、その他の書類は5年間保存が必要です。青色申告の場合は帳簿・書類ともに7年間保存が必要です。
令和5年分の確定申告から、売上げに関する帳簿を保存していなかったことや帳簿の売上げについて記載が不十分であったことなどが税務調査において把握された場合には、通常課される加算税の割合に5%又は10%が加重されることとなりました。帳簿の作成・保存は法律上の義務であり、きちんと対応することが重要です。
会計ソフトを活用した効率的な記帳方法
帳簿付けは「クラウド会計ソフト」で行うのが一般的です。近年は、スマホアプリで手軽に記帳できる会計ソフトも増えています。会計ソフトを使えば、専門知識がなくてもミスが起きづらく、短い時間でラクに記帳できます。
主な会計ソフトとしては、freee(フリー)、マネーフォワード クラウド確定申告、弥生の青色申告オンライン、弥生の白色申告オンラインがあります。これらのソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で取引を取り込む機能があり、入力の手間を大幅に削減できます。
スマホアプリでの記帳の流れとしては、副業で売上や報酬が発生したらスマホアプリで記帳し、商品を引き渡した日付やサービスを提供した日付で記帳します。副業で経費が生じたら、そのレシートを専用アプリで撮影すると、文字認識(OCR)により日付や金額が自動的に読み取られます。
定期的に記帳する習慣をつけることが重要です。普段から記帳内容を整理せず溜めていると、確定申告前に焦って一気に帳簿をつけなければいけなくなります。最低でも月に1回程度は帳簿をまとめる時間を作りましょう。
2025年(令和7年度)税制改正による影響
令和7年度税制改正により、基礎控除額が変更されます。所得金額から減じられる基礎控除額が最大95万円に変更となります。また令和7年・8年に関しては、所得金額132万円超2,350万円以下の金額帯で、段階的に基礎控除額が少なくなる特例措置も講じられます。
副業の「20万円ルール」自体に変更はありません。引き続き、副業の所得が20万円を超えれば確定申告が必要で、20万円以下では所得税の確定申告は不要となります(住民税の申告は必要)。
ストックフォト副業でよくある質問と回答
換金していない報酬も申告が必要ですか?という質問については、はい、必要です。確定申告をする場合、換金していなくても売掛金として帳簿に計上する必要があります。ストックフォトの売上は、換金時ではなく、売上が発生した時点で収入として認識します。
源泉徴収されている場合も確定申告は必要ですか?という質問については、所得が20万円を超える場合は必要です。PIXTAなど一部のサービスでは源泉徴収が行われていますが、確定申告で精算することで、払いすぎた税金が還付される可能性があります。
複数のストックフォトサービスを利用している場合は?という質問については、すべてのサービスの収入を合算して申告します。各サービスの売上を個別に管理し、合計が20万円を超えるかどうかで判断します。
趣味で始めたストックフォトでも申告が必要ですか?という質問については、所得が20万円を超える場合は必要です。趣味として始めた場合でも、収入を得ている以上、税法上の取り扱いは同じです。
経費の領収書はいつまで保管すればよいですか?という質問については、白色申告の場合は5年間、青色申告の場合は7年間の保管が必要です。
確定申告をしなかった場合のペナルティは?という質問については、無申告加算税や延滞税が課せられる可能性があります。無申告加算税は、納付すべき税額に対して15〜20%が加算されます。また、悪質な場合は重加算税(35〜40%)が課せられることもあります。
確定申告を楽にするための日頃の準備
確定申告を楽にするためには、日頃からの記録管理が重要です。おすすめの管理方法としては、各ストックフォトサービスの月次売上をスプレッドシートで管理すること、経費の領収書は月ごとにファイリングすること、クレジットカード明細を活用すること(事業用とプライベート用を分けると便利)、クラウド会計ソフトを活用することがあります。
所得が増えてきた場合や、複雑な取引がある場合は、税理士に相談することも検討しましょう。税理士に依頼することで、適切な節税対策や、確定申告の手間を省くことができます。
また、税務署では事業所得等を有する白色申告の方を対象にした記帳説明会が随時開催されています。この説明会では、記帳の方法や帳簿の保存制度について説明を受けられます。また決算時期には決算説明会が開催され、棚卸の仕方や減価償却の計算方法の説明を受けられます。帳簿のつけ方がわからない場合は、これらのサービスを活用することをおすすめします。
ストックフォト副業の始め方と収益化のポイント
ストックフォトの副業とは、自分が撮影した写真をインターネット上のストックフォトサイトにアップロードし、その写真がダウンロードされる度に報酬を得るという形態の副業です。一度登録した写真はずっと売れ続け、不労所得が得られる可能性があるのが大きな魅力です。
主要ストックフォトサービスの特徴比較
| サービス名 | 報酬通貨 | 報酬目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| PIXTA | 日本円 | 1枚50円〜数千円 | 国内最大級、源泉徴収あり |
| Adobe Stock | 日本円/ドル | 売上の33% | 動画高単価、AI画像可 |
| Shutterstock | ドル | $0.25〜$2.85程度 | 世界的サービス |
| 写真AC | 日本円 | 1DL 3.25円 | スマホ撮影OK、敷居が低い |
売れる写真のジャンルとテーマ
ストックフォトで売れる写真には傾向があります。PIXTA 2023年9月ランキングによると、人気の検索キーワードは1位が女性、2位がビジネス、3位が家族、4位がオフィス、5位が男性、6位が秋、7位がスマホ、8位がクリスマス、9位がパソコン、10位が看護師となっています。
需要の高いジャンルとしては、ビジネス関連の写真、ライフスタイル、健康やフード、季節のイベントや祝日、感情を表す写真(笑顔の人、考え込む人など)、特定の職業を象徴する人物写真(看護師、建設作業員など)があります。
収益化を成功させるポイント
ストックフォトで成功するためには、週に10〜20点の写真を目標に、毎日3〜4点の新しい写真をアップロードすることでポートフォリオを充実させていくことが重要です。最初の目標として1000枚登録が推奨されています。
クリスマス、ハロウィン、新学期などは毎年繰り返される需要が高いテーマです。季節のイベントに先駆けて関連する写真を登録しておくと、効果的です。需要のある写真を撮ることに加えて、適切なキーワードをつけることも重要です。英語のタグも追加すると海外の購入者にもアプローチできます。
ハイクオリティかつニーズを押さえた写真を制作する必要があります。スマートフォンでも撮影は可能ですが、一眼レフやミラーレスカメラで撮影した高品質な写真の方が売れやすい傾向があります。
AI時代のストックフォト
近年、生成AIの台頭がストックフォト業界にも影響を与えています。多くのストックフォトサイトはAI生成画像の登録を禁止していますが、Adobe Stockは生成AIで作成した写真のアップロードを許可しています。これにより、写真撮影のスキルがなくても、AIを活用して効率的に高品質な画像を作成し、収益を得ることも可能になっています。ただし、AIを活用する場合も、市場のニーズを理解し、需要のある画像を生成することが重要です。
まとめ
ストックフォト副業で20万円を超える所得を得た場合、確定申告は避けて通れません。しかし、正しい知識を持って準備すれば、決して難しいものではありません。
押さえておくべきポイントとして、所得(収入−経費)が20万円を超えたら確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要です。カメラやパソコンなど、撮影に関連する費用は経費にできます。高額な機材は金額に応じて減価償却が必要です。e-Taxを使えば自宅から簡単に申告できます。会社にバレたくない場合は住民税を普通徴収にします。日頃からの記録管理が確定申告を楽にします。
ストックフォトは、一度登録した素材が継続的に収益を生み出す可能性のある魅力的な副業です。確定申告という義務をしっかり果たしながら、長く続けていける副業として取り組んでいきましょう。
本記事の情報は2025年12月時点のものです。税制は毎年改正される可能性がありますので、最新の情報は国税庁のホームページや税務署、税理士にご確認ください。

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