近年、クリエイターの副業として注目を集めているストックフォト市場。その中でも123RFは、世界44カ国、17言語で展開される大手プラットフォームとして多くのクリエイターに利用されています。2025年には審査システムが大幅に改良され、これまでの長い審査期間や高い却下率といった課題が解決されました。日本語での自動翻訳機能や比較的緩い審査基準など、初心者にも優しい環境が整っている123RF。写真やイラスト、さらにはAI生成素材まで幅広く取り扱っており、他のプラットフォームとの併売も可能な非独占販売システムを採用しています。本記事では、123RFでの出品方法について、登録から収益化まで詳しく解説していきます。

Q1: 123RFとは何ですか?初心者でも出品できるのでしょうか?
123RFは、2005年にスタートした世界最大級のロイヤリティフリー素材サイトです。マレーシアの会社が運営しており、写真やイラストだけでなく、動画や音楽素材も取り扱っています。世界44カ国、17の言語で展開されており、サイトは日本語にも対応しているため、グローバルな市場で自身の作品を販売したいクリエイターに最適なプラットフォームです。
123RFの大きな特徴は、プロ・アマ問わず18歳以上であれば誰でも登録できる点です。初心者でも気軽に始められるよう、様々なサポート機能が用意されています。特に注目すべきは、日本語で入力したタイトルやキーワードが自動的に英語に翻訳される機能です。これにより、英語が苦手な方でも世界中のユーザーに向けて作品を販売することができます。
123RFの素材は全て有料のロイヤリティフリー素材で、一度購入すれば許諾範囲内で何度でも追加料金なしで利用できます。作品の著作権はコントリビューターに帰属し、他のプラットフォームでも販売可能な非独占販売が採用されているため、収益機会を分散できるのも大きなメリットです。
2025年の大きな変化として、審査システムが大幅に改良されました。以前は審査期間が非常に長く、却下率も高いことで知られていましたが、現在は数日程度で審査が完了し、却下されることも著しく減少しています。この改善により、初心者でもより気軽に作品を投稿できる環境が整いました。
また、123RFではAIを活用した画像生成ツールやキャラクター作成ツールも提供しており、AI生成素材の販売にも対応しています。従来の写真やイラストだけでなく、新しい技術を活用した作品でも収益化が可能です。
初心者がストックフォトを始める際に心配される品質面についても、123RFは比較的緩い審査基準を採用しているため、まずは作品を投稿してみて、市場の反応を見ながらスキルアップしていくことができます。継続的なアップロードと品質向上により、売上を確実に伸ばすことができる「蓄積型」の副業として、多くのクリエイターに支持されています。
Q2: 123RFでコントリビューター登録をする手順を教えてください
123RFでの素材販売を開始するには、コントリビューター登録が必要です。登録プロセスは比較的シンプルですが、報酬を受け取るためには本人確認書類の提出が義務付けられているため、事前に必要書類を準備しておくことが重要です。
ステップ1: アカウント登録
まず、123RFのサイトにアクセスし、ページ上部の「Register」または「新規登録」をクリックしてユーザー登録画面へ進みます。ユーザー名とメールアドレス、パスワードを設定し、「Register Now」または「新規登録」をクリックします。
重要なポイントとして、ユーザー名は一度決定すると後から変更できないため、作家として活動する名前を慎重に設定してください。このユーザー名は、ポートフォリオのリンクにも表示されるため、覚えやすく親しみやすい名前を選ぶことをおすすめします。
登録後、「Welcome to 123rf.com」というタイトルのメールが届くので、メール内のリンクをクリックしてメールアドレスを有効化します。
ステップ2: 利用規約とプライバシーポリシーの同意
新規登録の際に、利用規約とプライバシーに関する告知が表示されます。これらの内容をしっかりと確認し、「同意する」をクリックして進みます。特に重要なのは、コンテンツコントリビューター契約です。この契約により、123RFはコントリビューターのコンテンツを非独占的に世界中で配布・販売する権利を持ち、マーケティング目的での使用権も含まれます。
契約では、紛争が発生した場合、シンガポール法に準拠し、シンガポール国際仲裁センター(SIAC)での仲裁により解決されることが定められていますが、多くの場合、オンライン審理や書面での対応が認められており、友好的な交渉による解決が優先されます。
ステップ3: 本人確認書類の提出
素材を販売し報酬を受け取るためには、本人確認書類の提出が必須です。提出可能な書類は、パスポート、マイナンバーカード、運転免許証、その他政府発行の身分証明書などです。
実用的なアドバイスとして、外国人の担当者が本人確認を行うため、ローマ字での氏名入力が推奨されます。パスポートがある場合は、日本語の運転免許証よりもスムーズに確認が完了する可能性が高いです。コントリビューターページから本人確認書類のアップロードセクションに進み、スキャンしたJPEGファイル(またはデジタルカメラで撮影したもの)をアップロードしてください。
ステップ4: 税務書類(W-8BENフォーム)の設定
報酬を受け取る際には、W-8BENフォームの提出が必要となる場合があります。このフォームは、米国外の個人が米国の支払いから源泉徴収される税率を軽減・免除するための重要な税務書類です。
日本は米国と租税条約を結んでおり、W-8BENフォームを提出することで、通常30%課される源泉徴収税を軽減(場合によっては0%)できます。フォームには氏名、日本の住所、日本の納税者番号(マイナンバー)などを記入し、受益所有者のタイプとしては、フリーランスのクリエイターや個人事業主の場合、「Individual/Sole Proprietor(個人/個人事業主)」を選択するのが一般的です。
有効期限は3年間で、情報に変更があった場合は新しいフォームを提出する必要があります。
Q3: 素材をアップロードする際の品質要件や注意点はありますか?
123RFに素材をアップロードする際には、品質要件とライセンス関連の注意点を理解しておくことが重要です。適切な準備を行うことで、審査通過率を高め、より多くの収益機会を得ることができます。
写真の品質要件
写真素材については、6メガピクセル以上の解像度が必要です。JPEG形式で保存し、最低80%の品質で圧縮されていることが求められます。ファイルサイズは30MBを超えないようにしてください。画質については、フォーカスが合っていることやノイズが少ないことが重要で、これらの問題があると審査で却下される可能性があります。
イラストの品質要件
イラスト素材の場合は、ベクター形式(EPS)とJPEG形式の両方を一緒にアップロードし、同じファイル名(英数字)で保存する必要があります。JPEGファイルは幅と高さが1600ピクセル×1600ピクセル以上で、品質は80%以上に設定してください。EPSファイルはIllustrator 8と互換性があるように保存し、レイヤーは全て表示された状態で保存することが重要です。
リリース書類の準備
商用利用可能なロイヤリティフリー素材として販売する場合、モデルリリースやプロパティリリースの準備が必要になる場合があります。
人物が写った写真には、モデル本人からの利用許可(モデルリリース)が必要です。複数人が写っている場合は、全員から許可を得る必要があります。また、スタジオや特徴的な建物、商標権を有する場所で撮影された写真には、建物の所有者からの許可(プロパティリリース)が必要です。
注意点として、手書きのイラストなど、ベクターデータを持たないアナログ作品には、自身の作品であることを証明するためにプロパティリリースの提出が必要とされています。
エディトリアル扱いについて
これらのリリースがない場合、または団体を特定できる社名入り看板や商標登録商品などが写り込んでいる場合は、自動的にエディトリアル(報道目的限定)素材として登録されます。エディトリアル素材は商用利用が禁止されており、報道や解説目的などの非商用目的でのみ使用が可能です。
商標物への注意
商標登録されたものをイラストに入れると拒否されます。ロゴはもちろん、形や色の組み合わせなども対象となる場合があるため注意が必要です。Apple、iPodなどのブランド名は使用せず、パソコンやMP3プレーヤーなど一般的な名称を使用してください。
アップロード方法
素材が準備できたら、123RFにログインしてコントリビューターページにアクセスし、「コンテンツアップロード」をクリックして素材の種類を選択します。「Web Form Uploader」を使用すれば、ブラウザ経由で簡単にアップロードできます。ファイルをドラッグ&ドロップでアップロード欄に追加し、利用規約への同意事項にチェックを入れてアップロードを完了させます。
IPTC情報の活用
JPEGファイルそのものにタイトルとキーワードを埋め込むIPTC情報をサポートしているため、事前に情報を設定しておけば、後からの入力作業が簡単になります。これは効率的な作品管理に役立つ機能です。
Q4: キーワード設定や審査について詳しく知りたいです
キーワード設定は、作品が検索で見つけられやすくなるための重要な要素です。123RFでは効果的なキーワード設定により、より多くの購入機会を得ることができます。また、2025年に改良された審査システムについても理解しておくことが重要です。
キーワード設定の基本ルール
キーワード設定では、最低7個以上のキーワードを設定する必要があり、理想的には35~50個程度が推奨されます。キーワードはコンマ(,)またはセミコロン(;)で区切り、素材の内容をできるだけ正確に描写することが重要です。
言語対応の利便性として、説明文とキーワードは英語で記入することが推奨されますが、日本語で入力して保存ボタンを押すと自動的に英語に翻訳されます。ただし、自動翻訳の精度が完璧ではない場合があるため、翻訳後の英語を確認し、必要に応じて修正することが大切です。
効果的なキーワード戦略
キーワードを考える際は、「何が(WHAT)・誰が(WHO)・いつ(WHEN)・どこで(WHERE)・どうやって(HOW)」の5つの基本的な質問に注目してキーワードを考えます。思いついたものを全て書くのではなく、ダウンロードする側の視点に立ち、必要なものを簡潔にまとめることが大切です。
説明文の書き方のコツ
説明文では、画像に何が写っているかを分かりやすく説明します。モデルの人種や国籍は説明文には書かず、キーワードに記入することが好ましいです。また、商標の言葉やブランド名は入れないようにし、パソコンやMP3プレーヤーなど一般的な名称を使用します。
撮影地が重要な要素を占める場合は正しい地名を記載し、簡潔にまとめます。事実として確かなことを説明し、動物の名前なども端的に記入してください。説明文は、明確に、正しく、簡潔に書くことが重要です。
エディトリアル素材の特別ルール
エディトリアルコンテンツの場合は、報道目的の性質上、撮影場所、写真に写っているイベントの開催日、写真についての説明文(誰が、何が)が必須情報となります。ロイヤリティフリーとは異なり、エディトリアルコンテンツのキーワードには商標登録済みの名称やブランド名などを記入しても良いとされています。
2025年の審査システム改良
2025年には審査システムが大幅に改良され、以前の長い審査期間や高い却下率といった課題が解決されました。現在は数日程度で審査が完了し、却下されることも著しく減少しています。初期審査では、コントリビューターとして承認されるには、有効な本人確認書類のアップロードと、提出した画像のうち最低10枚が審査をパスする必要があります。
却下される主なケース
審査が通らない場合の主な理由は以下の通りです:
- フォーカスが合っていない、ノイズが多いなどの品質問題
- 「Invalid Description / Keywords」として、不適切な説明文やキーワード
- 著作権・肖像権侵害
- 商標登録されたものをイラストで表現する行為
注意事項
一度承認されると投稿ページから自分で編集が不可能となるため、スペルミスや文法ミスがないか必ず確認してください。また、作品と無関係なキーワードを入れることはスパムと見なされるため避けてください。ロイヤリティフリーコンテンツの場合、日付はキーワードに記入せず、説明文のみに入力します。
審査を通過した作品は、ポートフォリオに反映されます。審査通過から反映までにさらに1日ほどかかることがありますが、審査通過のメールは届かないため、アップロード履歴で確認してください。
Q5: 123RFの報酬システムと他サイトとの違いを教えてください
123RFの報酬システムは、他のストックフォトサイトと比較して独自の特徴を持っています。2025年時点での最新情報を踏まえて、報酬体系と他サイトとの比較について詳しく解説します。
123RFの報酬システム
123RFでは、各ライセンスの売上に応じて、コントリビューターには30%から60%のコミッションが支払われます。コントリビューターのレベルは販売数によって1から8まで設定されており、レベルが上がると報酬率もアップする仕組みです。例えば、チケットパッケージで販売された場合は販売価格の50%が報酬となることがあります。
支払い条件と方法
123RFの合計収入が最低支払額の50ドルを超えると、自動的に換金されます。支払いは月末締めで、翌月の17日までに処理されます。支払い方法は「PayPal」「Skrill」「Payoneer」が選択でき、それぞれ最低支払額が異なります。PayPalとPayoneerは50ドル、Skrillは100ドルとなっています。
PayPalを選択した場合、PayPalから銀行口座へ引き出す際には手数料がかかる場合がありますが、50,000円以上であれば無料です。報酬はドル建てで振り込まれ、PayPalサイトで日本円に換金して引き出すことができます。
他の主要ストックフォトサイトとの比較
2025年2月更新の比較データによると、各サイトの特徴は以下の通りです:
Adobe Stock(総合評価A)は、売れやすさ◎、ロイヤリティ率33%と高く、登録作業も容易で、AI生成素材にも対応しており、多くのクリエイターに最もおすすめされるサイトです。
Shutterstock(総合評価C)は、売れやすさ◎とトップクラスですが、ロイヤリティ率が低め(15-40%)です。2025年にシステムが改善され、以前の厳しい審査が通りやすくなりました。
iStock by Getty images(総合評価B)は、売れやすさ◎でダウンロード数が多いですが、ロイヤリティ率が低い(15%)のが難点です。
PIXTA(総合評価B)は、日本の最大手で売れやすさ○、ロイヤリティ率は22-42%で、日本国内での需要が高いです。
123RFの位置づけと強み
123RFの総合評価はDとされていますが、2025年の審査システム改良により状況が改善されています。売れやすさは△とされていますが、以下の独自の強みがあります:
- 日本語自動翻訳機能により、英語でのタグ付け作業の負担が軽減される
- エディトリアル変換機能により、リリースの有無を気にせずアップロードしやすい
- 非独占販売で他のプラットフォームとの併売が可能
- 審査通過率が高く、初心者でも始めやすい
収益最大化の戦略
ストックフォトで安定した収益を得るためには、複数のサイトへの分散登録が重要です。1社専属よりも、Adobe Stock、Shutterstock、PIXTAなどの主要サイトと123RFを組み合わせることで、収益機会を最大化できます。
税務面の注意点
コントリビューターは、報酬に対する税務申告と納税の責任を負います。副業での収入が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。W-8BENフォームの提出により、米国での源泉徴収税を軽減し、収益を最大化することができます。
123RFは、単価が低い傾向があるものの、審査の通りやすさや日本語対応の利便性など、初心者にとって始めやすい環境が整っています。他の高収益サイトと組み合わせることで、ストックフォト事業全体の収益性を向上させることができるでしょう。
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