PIXTAでイラストを販売する際、多くのクリエイターが最初に悩むのがサイズ設定です。適切なサイズで制作しないと、せっかく作ったイラストが思うように販売できなかったり、購入者のニーズに応えられなかったりする可能性があります。PIXTAは日本最大級のストックフォトサイトとして、S・M・L・XLという4つのサイズ展開があり、それぞれ異なる用途と価格設定になっています。本記事では、PIXTAでのイラスト制作における最適なサイズ設定から、解像度の考え方、他のストックサイトとの違い、そしてよくある失敗例まで、実践的な情報を網羅的に解説します。これからPIXTAでイラスト販売を始める方も、すでに活動している方も、効率的な制作フローを構築するための参考にしてください。

PIXTAにイラストを投稿する時の最適なサイズは何ピクセルですか?
PIXTAでイラストを投稿する際の最適サイズは5000px × 5000px以上をおすすめします。これは、PIXTAの最高ランクであるXLサイズ(縦+横が8001px以上)に対応するためです。
PIXTAでは、一度大きなサイズでアップロードすると、自動的に小さなサイズも生成されます。つまり、XLサイズでアップロードすれば、L・M・Sサイズも同時に販売可能になるため、収益機会を最大化できます。逆に、小さなサイズでアップロードしてしまうと、後から大きなサイズを追加することはできません。
具体的な推奨設定は以下の通りです:
- 正方形の場合:5000px × 5000px(合計10,000px)
- 横長の場合:6000px × 4500px(合計10,500px)
- 縦長の場合:4500px × 6000px(合計10,500px)
これらのサイズなら、解像度300dpiでA3サイズ程度の印刷にも対応できるため、多様な用途に使用できます。また、ファイル容量も50MB以下に収まりやすく、アップロード時のトラブルも避けられます。
制作環境によって最適な設定は変わりますが、Procreateを使用している場合は5000px × 5000px、Illustratorなどのベクターソフトなら6000px × 4500px程度で作成し、書き出し時に最高品質設定を選択することで、プロフェッショナルな品質を保てます。
重要なのは、PIXTAの審査基準を満たしつつ、購入者のニーズに応える高品質なイラストを提供することです。サイズが大きければ良いというわけではなく、イラストの内容と想定される用途を考慮して適切なサイズを選択しましょう。
PIXTAのS・M・L・XLサイズの違いと、それぞれの用途を教えてください
PIXTAのサイズ分類は縦と横のピクセル数の合計で決まり、それぞれ異なる用途と価格設定になっています。各サイズの詳細と適切な用途を詳しく解説します。
Sサイズ(1300px以下)
- 参考サイズ:640px × 480px程度
- 用途:Web表示専用(ブログ、SNS、小さなバナー)
- 特徴:最も安価だが、印刷には不向き
- 注意:Sサイズのみでの投稿は不可
Mサイズ(1301px以上4500px以下)
- 参考サイズ:2400px × 1500px程度
- 用途:ハガキ・A5サイズの印刷、中規模なWeb素材
- 特徴:家庭用プリンターでの印刷に適している
- 価格:個人・法人ともに手頃な価格帯
Lサイズ(4501px以上8000px以下)
- 参考サイズ:3200px × 2400px程度
- 用途:A4印刷・パンフレット・カタログ
- 特徴:ビジネス用途での需要が高い
- 価格:Mサイズより高めだが、用途が広い
XLサイズ(8001px以上)
- 参考サイズ:5200px × 3900px以上
- 用途:A3以上の大型印刷・ポスター・看板
- 特徴:最高価格帯、プロフェッショナル用途
- 収益:1枚あたりの単価が最も高い
各サイズの価格差は約2〜4倍となっており、XLサイズが最も収益性が高くなります。購入者の多くは「念のため大きなサイズを」という心理で選ぶ傾向があるため、XLサイズの需要が意外に高いのが特徴です。
また、PIXTAでは購入者が用途に応じてサイズを選択できるため、一つのイラストで複数の価格帯をカバーできます。これは創作者にとって大きなメリットであり、効率的な収益化を可能にしています。
制作時は常にXLサイズを意識して大きく作り、PIXTAのシステムに小さなサイズの生成を任せるのが最も効率的な戦略です。
PIXTAでイラストを作る時の解像度(DPI)設定はどうすべきですか?
PIXTAでイラスト制作する際の解像度設定は300dpiが最適です。これは印刷品質を保証し、あらゆる用途に対応できる標準的な設定だからです。
解像度の基本理解 DPI(Dots Per Inch)は、1インチあたりのピクセル数を表します。数値が高いほど、印刷時の画質が向上します:
- 72dpi:Web表示専用(スマホ・PC画面)
- 150dpi:簡易印刷(家庭用プリンター)
- 300dpi:高品質印刷(商業印刷・出版)
- 350dpi:最高品質印刷(高級カタログ・美術印刷)
PIXTAでは300dpi以上が推奨されており、この設定により以下のメリットがあります:
印刷サイズの目安(300dpi基準)
- 3000px × 2000px → A4サイズ印刷可能
- 4500px × 3000px → A3サイズ印刷可能
- 6000px × 4000px → A2サイズ印刷可能
制作ソフト別の設定方法 Procreate:新規作成時に「300DPI」を選択 Photoshop:新規ドキュメント作成時に解像度を「300pixel/inch」に設定 Illustrator:書き出し時に「300ppi」を指定
重要な注意点 解像度を後から上げることは品質劣化を招くため、制作開始時に適切な設定をすることが重要です。特にラスター画像(JPEG・PNG)の場合、解像度不足は致命的な品質低下につながります。
ファイルサイズとのバランス 300dpiで大きなサイズを作ると、ファイル容量が50MBの制限に近づく場合があります。この場合は:
- 圧縮率を調整(JPEG品質80-90%程度)
- 不要なレイヤーを結合
- 色数を最適化
PIXTAの自動リサイズ機能により、アップロード後は各サイズに応じて適切な解像度に調整されるため、制作者は300dpiで統一して作業することで、効率的かつ高品質なイラスト制作が可能になります。
PIXTAと他のストックイラストサイトでサイズ要件はどう違いますか?
ストックイラストサイトごとにサイズ要件は大きく異なるため、複数サイトへの投稿を考えている場合は、それぞれの特徴を理解することが重要です。主要サイトの比較と効率的な制作戦略を解説します。
主要サイトのサイズ要件比較
- 最小:縦+横1301px以上
- 最大:縦+横35000px以下
- 特徴:縦横合計値での判定、4段階価格
- 最小:4MP(約2000px × 2000px)
- 最大:100MP
- 特徴:メガピクセル基準、サイズによる価格差なし
Shutterstock
- 最小:4MP以上
- 最大:制限なし(実質的には25MP程度)
- 特徴:最高画質必須、EPSは自動JPEG生成
イラストAC
- 推奨:1600px × 1200px
- 特徴:比較的小さめ、著作権譲渡あり
効率的な制作戦略 複数サイトに投稿する場合の最適解は5000px × 5000px、300dpiです。この設定により:
- PIXTA:XLサイズ対応(10000px合計)
- Adobe Stock:25MP(十分な高画質)
- Shutterstock:25MP対応
- イラストAC:縮小して対応
サイト別の特徴と戦略 PIXTAの強み:日本市場特化、段階的価格設定 Adobe Stockの強み:世界市場、定額制プラン Shutterstockの強み:世界最大級、高単価 イラストACの強み:日本のフリー素材需要
ファイル形式の違い
- PIXTA:JPEG、PNG、EPS対応
- Adobe Stock:JPEG、AI、EPS、SVG対応
- Shutterstock:JPEG、EPS対応
- イラストAC:JPEG、PNG、AI、EPS対応
実践的な制作フロー
- ベクターで制作(Illustrator等)
- 5000px × 5000px、300dpiでラスター書き出し
- 各サイトの要件に応じて微調整
- ファイル名・タグを統一して効率化
この戦略により、一度の制作で複数サイトに対応でき、収益機会を最大化できます。ただし、各サイトの審査基準や利用規約も異なるため、投稿前の確認は必須です。
PIXTAイラスト制作でよくあるサイズ設定の失敗例と対策方法は?
PIXTAでイラスト制作を始める際、多くのクリエイターがサイズ設定で失敗しがちです。実際によくある失敗例と、それを避けるための具体的な対策方法を紹介します。
失敗例1:小さすぎるサイズでの制作 多くの初心者が1000px × 1000px程度で制作してしまい、Mサイズにしかならないケースがあります。 対策:制作開始前に必ずXLサイズ(8001px以上)を目標に設定。5000px × 5000px以上で制作すれば確実です。
失敗例2:解像度72dpiでの制作 Web用の72dpiで制作してしまい、印刷時に画質が粗くなってしまう失敗。 対策:制作開始時に必ず300dpiに設定。特にProcreateユーザーは要注意で、新規作成時の設定確認が重要です。
失敗例3:ファイル容量オーバー 高解像度・大サイズで制作した結果、50MBの制限を超えてアップロードできないケース。 対策:
- JPEG圧縮率を80-90%に調整
- 不要なレイヤーを統合してから書き出し
- 制作中にこまめにファイルサイズをチェック
失敗例4:アスペクト比の考慮不足 正方形ばかり作ってしまい、用途が限定されてしまう失敗。 対策:以下の比率を意識した制作
- 16:9(横長):プレゼン・Web素材向け
- 4:3(やや横長):印刷物・カタログ向け
- 1:1(正方形):SNS・アイコン向け
失敗例5:カラーモード設定ミス CMYKモードで制作し、PIXTAアップロード時に色味が変わってしまう失敗。 対策:PIXTAではRGBモード必須。ただし印刷用途も考慮し、sRGBでの制作が最適です。
失敗例6:後からのサイズ変更 小さく作ったイラストを拡大して使おうとし、画質が劣化してしまう失敗。 対策:「大きく作って小さく使う」が鉄則。ベクター形式なら拡大縮小に対応できますが、ラスター形式は拡大厳禁です。
成功するための実践チェックリスト □ サイズ:5000px × 5000px以上 □ 解像度:300dpi □ カラーモード:RGB(sRGB) □ ファイル容量:50MB以下 □ アスペクト比:用途に応じて選択 □ ファイル形式:JPEG(高品質)またはPNG
効率的な制作環境設定 使用ソフトにかかわらず、テンプレートを作成しておくことで、これらの失敗を防げます。設定を毎回確認する手間を省き、品質の安定化も図れます。
これらの対策を実践することで、PIXTAでの売上向上と作業効率化の両方を実現できます。
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